2015年09月01日

クローズアップ現代|中国経済の減速

0ee9e8329e094f7996a6940b7ec1bd3a_s.jpg


クローズアップ現代|中国経済の減速



中国政府のジレンマ

中国経済減速の背景には、習近平体制が推し進める政策の転換があります。政権は現在の状況を「新常態」と位置づけ、成長の速度よりも質と効率を重視しようとしているのです。製造業においては安い労働力を使った大量生産から高品質で付加価値の高いものづくりを目指します。しかし、政府が考える構造転換は進んでいません。

かつての世界の工場として、多くの工場が林立していた地域でも、人件費の高騰によって安い労働力を武器にしたものづくりが行き詰まり新興国との厳しい価格競争にさらされた結果、多くの工場が閉鎖に追い込まれています。ブランド力を高め高付加価値商品を生み出すためには、技術革新が必須となりますが、国有企業がすべてを独占する中国では新しい産業が生まれるための技術革新が置きにくい状況にあります。

また、習近平政権が目指す腐敗撲滅も経済減速の一因となっているという指摘があります。これまで中国では、政党や幹部の腐敗、特に公共事業の現場で汚職がはびこってきました。国民の不満を解消すべく腐敗撲滅に取り組んでいますが、皮肉なことにその政策によって地方幹部が摘発を恐れるあまり予算執行に及び腰となり、経済の成長を妨げているのです。

クローズアップ現代|政府のジレンマ.jpg


他の新興国に大きな影響

アジアの新興国の中には、中国経済への依存度が高い国が多くあります。ここ10年間で中国への輸出を2倍に増やしてきたインド、中国を最大の輸出先とするタイなどでは、輸出全体が冷え込んで、さらに国内の個人消費にも陰りが見え始めているのです。

5bdeb6f167be5df9b32a2363abe0137d_s.jpg


アメリカの利上げ|世界が注視

アメリカはリーマンショック以降、落ち込んだ景気を下支えするため、金利をゼロにして市場に大量のマネーを投入してきました。しかし、アメリカは景気が順調に回復しているとして、2015年9月に利上げに踏み切るのではという見方が出ています。

もし、利上げが行われればマネーが逆流し、各国の通貨や株価の下落を招き、世界経済が不安定になる懸念があります。世界経済の動向の不透明感が増す中、いまアメリカの動向に大きな関心が寄せられています。

クローズアップ現代|アメリカの利上げ.jpg


内需拡大を目指せ!

日本の4-6月期の成長率は年率でマイナス1.6%となりましたが、その原因は輸出の減少にあります。中国向けの輸出が減ったということと中国の経済の減速でアジアの国々が足を引っ張られ、アジア向けの輸出が減少していることが要因として挙げられます。

今後の日本の課題としてはGDPのおよそ6割を占める個人消費を増やす、内需拡大を図ることが課題と言えます。個人消費を拡大させるためには、将来に対する不安を払拭することが必要です。そのためには社会保障制度の構造改革などが課題となります。
posted by CYL at 18:42 | クローズアップ現代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月04日

クローズアップ現代|人工知能社会の現状と今後

クローズアップ現代|人工知能社会.jpg


クローズアップ現代|人工知能社会

2015年3月3日のNHK「クローズアップ現代」のテーマは人工知能社会でした。人工知能といって思い浮かべるものは何でしょうか。お掃除ロボットやプロの棋士を負かす将棋ソフト、ソフトバンクから発売されている人型ロボット”ペッパー"、またはグーグルの自動運転車でしょうか?人工知能への投資が多くになるにつれて技術革新の速度も上がってきています。

人工知能分野で最先端のアメリカでは、人間にしかできないといわれていた知的労働まで人工知能がこなすようになってきています。今後数十年の間に約65%の職業が人工知能にとってかわれるという研究結果もあります。

クローズアップ現代|なくなる可能性が高い職業.jpg


<記者の仕事をこなす人工知能>
人工知能をつかったシステムを開発するベンチャー企業で膨大なデータを元に自動で文章を作成するシステムが開発されました。たとえば、バスケットボールの試合の映像をみて自動で解説をする人工知能です。

スリーポイントシュートを放つ選手の映像をみて”この選手はスランプだ”と解説をしました。どのように”スランプ”という表現を人工知能が選択したのか。それはこんな仕組みです。

まず膨大なデータからどのくらいの確率でシュートが入らなければスランプと表現するのかを検出し具体的な判断基準をつくります。その判断基準をもとに選手のデータと照らし合わせた結果としてスランプと表現したのです。

この技術の応用は100社以上で採用され、年間10億以上の記事を生み出しています。スポーツだけでなく、金融や不動産のデータをあわせることでより魅力的な記事が執筆できるようになったといいます。


<アメリカの大手通信社(AP通信社)の場合
人工知能による記事作成で得たメリット>

決算関連の記事は、膨大なデータを調べなくてはならず、記者の負担がとても大きいものでした。それを人工知能に行わせることで、決算関連の記事数はいままでの10倍になったといいます。さらに、記者の負担が軽減されたことで、より重要な取材に時間を割くことができるようになりました。

<将来、記者が二分化される>
将来的には記者の仕事の格差が生まれると予測されています。人工知能が書いた記事をチェックする記者と、人工知能には書くことのできない記事がかける記者に分かれるといわれています。

クローズアップ現代|記者の二分化.jpg



<小論文の採点に人工知能>
大学入試の小論文の採点に人工知能が使われています。人間と同等の評価ができるとして全米で約1500の教育機関に採用されています。

その仕組みは、膨大な論文データの中から語彙や文章の長さなど人間が作成した判断基準と過去の論文データを照らし合わせて判断基準をつくり、採点を行うというものです。

しかし、このシステムの限界について言及する言語学者がいます。人工知能の判断基準にそって作成した”まったく意味をなさない文章”を採点してみた結果、満点という採点結果が実際に現れました。つまり人工知能は文章の内容を理解して判断をすることはいまの技術ではできていないことになります。

そこでいま注目されているのが”ディープラーニング”です。大量の論文を読み込んで人工知能自身が採点の判断基準を導き出す仕組みがディープラーニングです。

クローズアップ現代|ディープラーニング.jpg



<<自動運転車(スウェーデン自動車メーカーボルボの場合)>>
導入によるメリット|安全性の向上

事故の原因の90%は人的ミスに起因することから、運転を人工知能にゆだねることでより安全性が高まると考えています。

研究で使用しているのは40年以上にわたり蓄積された事故のデータです。事故がどのような状況で起きたのかを人工知能に学習をさせることにより、事故を予測して回避することができるようになってきたといいます。

走行実験ではほとんどの場合において正しい判断を下すようになっており、現在はそれを100%に近づけることを目指しています。

<自動運転車の社会実験を予定>
スウェーデンのヨーテボリ市では2017年に自動運転車を市民100人に貸し出しての社会実験を予定しています。さらに都市計画において自動運転車を想定したまちづくりについても検討をはじめています。自動運転車のためのインフラ整備や駐車場へ自動で駐車できるシステムなどを想定して都市計画を策定しています。

<課題は責任の所在>
事故がおこった場合、だれが責任を負うのかについて大きな課題があります。スウェーデンではメーカーと国が共同で法律を研究してきました。責任は、運転者か、自動車メーカーか、あるいは人工知能の設計者なのか、国によっても考え方が異なるこの問題は自動運転車の実用化にとって大きな課題となっています。


クローズアップ現代|自動運転メリットと課題.jpg


posted by CYL at 09:24 | Comment(0) | クローズアップ現代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする