
オイコノミア|経済学で安心を手に入れる
生きていく上で避けて通ることが出来なのがリスクです。健康やお金、少子高齢化など人が感じている不安は三者三様です。しかし、それらに共通しているのが「将来がわからない」ことへの不安であることがわかります。
経済学では、将来のことがわからないことを”不確実性”と言います。不確実性が大きいほど人は不安になります。不確実性と言えば、経済学でよく引き合いに出される質問があります。それは、100%の確率で100万円が当たるくじと50%の確率で200万円が当たるくじではどちらを選びますか?というものです。ほとんどの人が100%で100万円が当たるくじを選択しますが、それは人は不確実性を避ける傾向にあるためです。
安全は現実、安心は心の状態
テロやミサイルなどのリスクに対して、最近よく聞くキーワードに安心・安全がありますが、その違いについて考えて見ましょう。まず安全は現実の状態を表します。一方の安心は心の状態を表します。つまり、現実の状態が安全であったとして、安心できなかったり、その反対も起こりうるのです。
しかし、正しくリスクを把握するのは容易いことではありません。具体的な例を挙げて考えて見ましょう。
1万人に一人がかかる病気があります。その病気にかかっているかを検査を行います。検査方法は、検査薬を注射して、陰性反応であれば病気にかかっていることを示し、陰性反応であった場合は、病気にかかっていないことを示します。ただし、この検査は、病気でない人でも5%の確率で陽性の結果が出ることがわかっています。さらに、病気にかかっている人でも、10%の確率で陽性が出ないことがわかっています。
あなたがこの検査を受けて、「陽性」の反応が出たとします。本当にあなたが1万に一人がかかるという病気にかかっている確率は一体どのくらいだと思いますか?20%? 50%? 80%? 結果は以下の通りです。
1万人が検査を受けた場合
実際は1万人に一人が病気なので、、、
病気の人:100人
病気でない人:99万9900人
しかし、検査では、、、
病気でない人でも5%は陽性:4万9995人
病気であるが陰性:10人
つまり、陽性反応が出ても病気でない確率は、約0.18%となります。陽性反応が出たとしてもほとんどの人が病気ではないということになります。0.18%という数字はあたなが考えた予想よりもはるかに低い確率だったのではないでしょうか。人間の直感と確率の間に大きな隔たりがあるのがわかります。

リスクから身を守る保険
痴漢冤罪をテーマとした映画がありましたが、毎日、満員電車に乗っていれば当然痴漢冤罪のリスクが存在します。そんな痴漢冤罪のリスクに備えた保険があります。痴漢冤罪の事件の場合、発生から48時間以内の弁護士費用を保険でカバーしてくれるというものです。痴漢冤罪においては特に発生段階で弁護士が適切に対応することで重要であるためです。掛け金は月々590円で契約件数は約7000件を数えます。このようにリスクを避けることをリスクヘッジと言いますが、保険はまさにリスクヘッジと言えます。また、大家さんのリスクヘッジとして今注目を集めているのが孤独死対策保険です。現在、高齢者の一人暮らしが増えていますが、大家さんとしては、孤独死のリスクを抱える高齢者へ部屋を貸すのは躊躇いがあります。そんな大家さんのスクをカバーしてくれるのが孤独死対策保険です。大家さんがこの保険に加入することで安心して高齢者に部屋を貸すことができます。この保険は大家さん向けの保険ではありますが、この保健があるおかげで大家さんの貸し渋りにより部屋を借りることができなくなる高齢者が減少しますので、借り手にもまたメリットをもたらしている保険と言えます。