2015年11月15日

夢の扉+|大浩研熱社長_林大輔

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夢の扉+|大浩研熱社長_林大輔



農業の素人
不況にあえぐ町工場が作った
常識破りのメロン



メロンの水耕栽培
東京都町田市にある林さんが代表を務める大浩研熱は、エアノズルを作る町工場です。そんな町工場がメロンを作るきっかけとなったのが、2008年のリーマンショックでした。

世界同時不況で町工場では注文が減り大打撃を受けました。いまこそ町工場の力を見せるときと、林さんが選んだのが農業でした。挑むのはメロンの水耕栽培。成功例が少ないメロンの水耕栽培に成功すれば町工場の希望の星となると考えたのです。

一つの木から60個のメロン
2009年にプロジェクトはスタートしましたが、収穫前に、次々とメロンは腐り、プロジェクトのメンバーは徐々に離れていったといいます。

メロンが腐ってしまった原因を調べると根腐れであることが判明しました。さらに根腐れの原因を究明すると水の流れにあることがわかったのです。林さんの本業のエアノズルは空気の流れを操るプロでもあります。林さんはその技術を応用し、新たな水の流れをつくることに成功。元気な根が水槽に広がりました。

その結果、通常は一つの木から数個のメロンしかなりませんが、林さんが水耕栽培で作った木には60個ものメロンが実ったのです。

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商品名|まちだシルクメロン
さらに林さんは甘さを追求し、独自の肥料などを使うことで糖度21.5度を実現しました。この数値は果物が出せる最高級の糖度です。メロンづくりをはじめてから6年で今年初出荷となりました。水耕栽培のメリットは通年で栽培できることにあります。

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障がい者の雇用創出
NPO法人プラナスでは、障がい者の子供たちに課外活動の場を提供しています。林さんはプラナスの活動に参加するうちにあることを知りました。それは障がい者の子供たちが、特別支援学校などを卒業後、就職できるのは約3割だという事実です。そこで林さんは障がい者やその母親ができる仕事としてメロンづくりにさらに力を入れるようになりました。

町工場の希望の星であったメロンの水耕栽培は、今や社会を支援する役割を担っているのです。


人と出会い、繋がり
同じ方向を向く

林大輔



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2015年11月08日

夢の扉+|庭園デザイナー石原和幸

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夢の扉+|庭園デザイナー石原和幸


花と緑で世界中にたくさんの笑顔を


英国王立園芸協会主催「チェルシーフラワーショー」は、伝統と格式ある世界最大規模を誇る花と緑の祭典です。そんなチェルシーフラワーに12年にわたり挑戦し続けている日本人がいます。庭園デザイナーの石原和幸さんです。石原さんはエリザベス女王から「緑の魔法使い」と称された経験を持ちます。石原さんの庭の特徴は、イギリスでは見向きもされない苔と雑草を多用することにあります。

街の花屋から庭園デザイナーに
長崎市で育った石原さんは23歳で花を一生の仕事にすると決意し路上販売で花を売り始めました。それから小さな店舗を借りて花を売りはじめるとすぐに軌道に乗り2年で店舗数は30店舗を数えるほどになりました。

41歳のときには東京に進出し、中国やベトナムなどビジネスは海外へと拡大させましたが、業績が振るわず多額の借金を抱えてしまいます。

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庭園を作るきっかけ
借金の返済に追われているとき転機が訪れました。それは「石原くん、庭はつくれるの?」というある常連客の言葉でした。庭づくりの経験がなかった石原さんですが、「できます」と即答。それから必死に方法を考えたといいます。それからというもの石原さんの仕事はいつからか庭づくりになっていきました。

チェルシーフラワーショーに挑戦
45歳の時に「チェルシーフラワーショー」を見て衝撃を受けた石原さんは、親から譲りうけた土地を売って資金をつくると46歳のときにチェルシーフラワーショーに初挑戦を果たしました。

松と雑草だけで水の循環を表現した独創的な庭は最高賞のゴールドメダル賞に次ぐシルバーギルド賞を受賞しました。

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以降、石原さんはイギリスのような庭園文化を日本で広め、日本の庭園をイギリスに伝える、イギリスと日本をつなぐ架け橋になりたいと思うようになりました。世界中の人たちを花と緑で笑顔にしようと石原さんは12年間にわたり出展を続けてきたのです。

「できます!」と言い
やり方はあとから考える

石原和幸

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2015年11月03日

夢の扉+|スパイバー代表取締役_関山和秀

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夢の扉+|スパイバー代表取締役_関山和秀


人工クモ糸による脱石油社会の実現


夢の繊維|人工クモ糸
NASAや米軍でさえ開発に失敗をした”あるもの”を日本の若き起業家関山和秀氏が開発に成功しました。

”あるもの”とは鉄より強くゴムのように伸び、さらに原料に石油を使用しない人類の夢の繊維として注目されています。”あるもの”とは、人工的に作ったクモの糸「人工クモ糸」です。

世界のものづくりを変える
プラスチックやゴム、ポリエステルなど私たちの身の回りには石油から作られたもので溢れています。

それらをタンパク質からなる人工クモ糸で代替することで限りある資源である石油に依存しないものづくりを実現しようというのが関山氏の夢です。

実用化へ向けた大量生産
人工クモ糸を実用化させるためには大量生産が必要です。しかし、クモ糸を作り出すクモは共食いをしてしまうため養殖ができないという問題がありました。

そこで目をつけたのが短期間で培養可能で安価な微生物です。

クモには糸の原料となるタンパク質を作り出す遺伝子がありますが、その遺伝子を微生物に移植することで微生物に糸の原料となるタンパク質を作らせるのです。

アイデアより行動力
実は以前にも関山さんと同じように微生物を利用してクモ糸をつくることを試みた研究者がいましたが、うまくいくことはありませんでした。それでも、関山さんは微生物でも機能する新たな遺伝子を開発に取り組みました。

研究開発をはじめて3年が経ったころ、1ミリのクモ糸ができていることを発見しました。その翌年には2ミリになり年々クモ糸の量が増え、量産化が見えてきました。

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世界初、人工クモ糸商品
今年、ノースフェイスと共同開発をして完成したアウタージャケット「MOONPARKER(ムーンパーカー)」が披露されました。

人類が成し遂げた偉大なイノベーションである月面着陸にならい脱石油という大きな目標を実現する並々ならぬ決意がムーンパーカーという商品名に込められてます。

イノベーションはアイデアではなく行動力
関山和秀

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2015年10月25日

夢の扉+|国際山岳医_大城和恵

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夢の扉+|国際山岳医_大城和恵


遭難を予防せよ!日本人初の国際山岳医

2013年に世界最高峰のエベレストに史上最高齢で登頂した三浦雄一郎氏。その遠征隊のチームドクターとして参加したのが大城和恵さんでした。

国際山岳医とは
山で起こる病気やけがの専門医として高度な登山技術を持つ医師です。90年代の終わりに欧州で生まれた新しい資格です。大城さんは2010年にイギリスで資格を取得し日本人初の国際山岳医となりました。

登山外来とは
大城さんが勤務する北海道札幌市にある北海道大野病院には全国でも珍しい登山外来があります。登山外来とはその人にあった心臓に優しい登り方をアドバイスします。登山中の三大死因のひとつである心臓突然死を予防するのが主な目的です。

登山中の三大死因
・心臓突然死
・外傷
・低体温症


低体温症の4つ処置法とは

1、食べる
食べ物の中で一番よいのが炭水化物をとることです。体の熱を作る筋肉に最も効率よくエネルギーを届けることができるからです。しかし、低体温症ではかじかんでうまく食べることができないことがあります。そんなときはカロリーが高く温かい飲み物もよいとされています。(たとえばおしるこ)

2、隔離
隔離とは風などの体温を奪うものから遠ざけることです。山中ではハイマツの中が意外に温かいといいます。

3、保温
頭と首を冷やさないようにします。頭を首から体温が逃げやすいからです。

4、加温
お湯を登山用の水袋に入れて胸を温めます。胸を温めるのは血流が一番多い場所だからです。昔は首や足の付け根と言われていましたが胸がよいといいます。

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大城さんの夢「遭難をなくしたい!!」

転機になった一言
国際山岳医の資格を取得した大城さんでしたが、国際山岳医の仕事がなく、何をしたらよいのかわからなかった時期がありました。そんなとき北海道警察山岳遭難救助隊が山岳医療のプロフェッショナルを求めていました。大城さんは2011年に北海道警察山岳救助アドバイザー医師として迎えられ、隊員たちに低体温症などの山で起こる病気の対処法を指導していました。

そんなとき、大城さんの胸に響いた隊員の一言がありました。それは”先生は一番最初のひとなんだから何をやってもいいんですよ。先生が道をつくればいい”というものでした。

その一言により、これまで仕事がないと考えていた大城さんの心に、ビジョンさえあればやることがあるということに気がついたといいます。


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2015年09月14日

夢の扉+|大阪大学教授_堀井俊宏(62)

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夢の扉+|大阪大学教授_堀井俊宏(62)



100万人の命を守るため
マラリアと闘う日本人科学者

マラリアのワクチン開発

約20年前にマラリア研究をはじめた堀井さんでしたが、国から研究予算をもらう会議の場で痛烈な言葉を浴びました。「日本にマラリアがないのになぜそんな研究をするんだ」その言葉が堀井さんの心に火をつけました。「世界中で苦しんでいる人がいるのに日本には関係ないというのか」

医療の国際貢献にまだ理解がない時代に、なんとか研究予算を獲得し堀井さんは走りだしました。しかし、マラリアワクチンの開発は不可能に近いといわれていました。これまでイギリスやアメリカがワクチンの開発に取り組んできましたが、その予防効果は3割から4割程度でした。劇的な効果を上げるワクチンはいまだ世界には存在していません。

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免疫システムを利用したワクチン

ワクチンとは人間の免疫システムを利用する方法です。免疫システムは病原体が進入すると敵だと判断し、攻撃をする抗体を作り出します。身体は一度攻撃した病原体を覚えているため同じ病気にはかかりにくくなるという仕組みです。この免疫システムを利用したのがワクチンです。毒性を弱めた病原体をワクチンとしてあえて体内に入れることで抗体をつくらせることで、その病気に対する強い抵抗力が生まれるのです。この方法でこれまで多くのワクチンがつくられてきました。

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攻撃すべき標的が多いマラリア

ではなぜマラリアのワクチン開発は不可能に近いのか?その理由は、マラリア原虫には抗体が攻撃すべき標的が数千種類存在し、さらにその組み合わせが原虫毎に異なるためです。そのため、たとえ一つの抗体をつくっても他の原虫が現れると標的が変わるため攻撃できず、マラリアに感染してしまうのです。堀井さんはその不可能に研究者人生を捧げてきました。難しいことに挑戦するのが科学者としての本分、相手にとって不足はないと堀井さんは語ります。

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共通の標的「SERA(セーラ)」発見

堀井さんはマラリア発祥地においてマラリアを発症しにくい人がいることに注目しました。ウガンダやソロモン諸島で彼らの血液を調査しました。堀井さんはあらゆるマラリア原虫に攻撃できる抗体が存在すると仮定しました。手がかりはアメリカ留学時に偶然発見したマラリア原虫の標的「SERA(セーラ)」でした。

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数千種類の標的を持つと言われるマラリア原虫ですが、実はすべてにSERAという同じ標的が存在することを発見しました。この発見により、人工的にSERAに対する免疫システムを持つことができればマラリアに感染しなくなるという可能性が出てきたのです。

研究をはじめて15年が過ぎた頃、ワクチンが形となりました。臨床実験の結果、72%の予防効果が認められました。2015年8月、アフリカ大陸のブルキナファソで5歳以下の子どもでの臨床試験がはじまりました。結果が出るのは2016年12月ですが、堀井さんが開発したワクチンは年齢が低いほど効き目があるとされているので、8割以上の予防効果を得たいと堀井さんは考えているといいます。ワクチンは5年後の実用化を目指しています。





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