
クローズアップ現代|夫婦げんかのリスク
子供の感情や学力に影響も
子供の感情や学力に影響も
両親が子供の前で喧嘩をするのは、一般家庭でもそれほど珍しい光景ではないかもしれませんが、その光景を見ている子供達への影響が研究でわかってきています。それは脳のメカニズムの結果、記憶力や学習能力の低下を引き起こすリスクがあるというのです。
精神科医の杉山登志郎氏によると、お互いに暴言を言い合っている状態を見るだけで、(子供へ)すごいダメージになると認識せざるを得ないと語ります。
夫婦げんかの下記のような状態は子供へ大きな影響を与えるリスクを抱えているのです。
「役立たず」など存在を否定する
どうでも良いことをチクチク言う
毎日冷戦状態
ほとんど口をきかずいつも険悪
「使えねぇ」などモラハラ発言
子供たちのためにも夫婦げんかはほどほどにしたいところです。夫婦げんかを減らす極意について日本臨床心理士会理事の信田さよ子さんに伺いました。
夫婦げんかを減らす極意
その1
主語は「あなた」ではなく「私」に
その2
決めつけて言わない
(あなたはいつも。。。だから等)
その3
大事な話は場所を変えて
(例えば、カフェなど)

子供たちのケア「宝物ファイル」
どんな子にも長所はある!
すでに夫婦げんかを散々子供の前で行ってしまった方にも朗報があります。研究から子供の傷も回復することがわかっています。その一つの方策が、親や友達から長所を書いてもらう「宝物ファイル」です。
自分の長所をあげてもらうことで自己肯定感がアップするのです。ポイントはファイルとして形に残しておくことで、いつでも見返すことができるようにしておくことです。
研究を進める福井大学特別研究員の岩堀美雪さんは「どの子にも必ず良いところがあるということをいつまでも忘れないでいただきたい」と語ります。実際に、親の喧嘩に悩んでいた子供が、宝物ファイルを始めたことで、態度や行動が落ち着いたと言う事例があります。