2017年12月06日

オイコノミア|欠乏の経済学

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オイコノミア|欠乏の経済学



経済学の元々の目的は、モノやお金など物的資源の配分を研究する学問です。つまり、欠乏の研究の元祖と言ってよいでしょう。

ところが今、物的資源ではなく“心の資源”の欠乏が与える影響を経済学で研究しています。欠乏によって特別な心の状態(マインドセット)になることがわかっています。

欠乏を感じた時、人の心はどんな動きをするのか見ていきましょう。

1、目の前の欠乏しているものに注意が向けて心がいっぱいになる。
2、集中ボーナスがもたらされる。
3、処理能力の低下
4、トンネリングの状態になる
5、ジャグリングの状態となる
(1へ戻って負のループに陥る)

集中ボーナスとは
集中ボーナスとは、下記のムッライナタンとシャフィールドの実験結果の通り、目の前のことだけに焦点を当てることで集中力が高まることをいいます。その代償として、処理能力に負荷がかかることで正しい判断ができなくなって様々な間違いをしまう。(トンネリング)

ムッライナタンとシャフィールドの実験とは
持ち玉の数が違う2つの集団で射的ゲームを行ったところ、持ち玉が少ない集団が高得点を記録した。(集中力が高まった。)

トンネリングとは
何かに集中することで他のことに意識を向けられないこと。トンネリングの状態になると喫緊の課題に集中してしまうあまり、緊急ではない活動を後回しにしてしまいます。その結果、目の前のこと場当たり的な対応に終始してしまう。(ジャグリング)

トンネリングから抜け出すヒントは、下記のマシュマロテストの結果の通り、他のことに注意を向けることで、トンネリングを回避することができる。

マシュマロテストとは
子供の目の前にマシュマロをひとつ置いて「戻ってくるまで食べずにいられたらもう1つあげるよ」という実験です。待っていられた子供たちが何をしていたかというと、マシュマロ以外のことを考えるようにしていた。

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貧困と欠乏

フィリピンのスカベンチャーと呼ばれるゴミの中から資源を収取して日々生活の糧としている人々がいます。彼らには貯蓄の習慣がないため、日々の暮らしだけに注力してしまい(トンネリング)、例えばシャンプーなどはボトルで購入した方が結果的に支払う総額を抑えることができますが、小分けのシャンプーをその日使う分として購入をしています。

また、時にまとまった収入があったとしても、お酒やタバコ、ギャンブルなどに費やしてしまいます。(判断能力の低下とジャグリング)

貧困問題は、欠乏の状態を理解することで、解決のアプローチは変わってきます。

貧困解決の道
教育や貯蓄によって将来が良くなるという情報を提供する(し続ける)ことが大切であることがわかっている。(将来の利益の「見える化」)

例えば、大学の年間授業料と大卒者が将来見込める月収を「見える化し、さらには貯金を促すためにタバコを1本節約するといくら、ビールを1本節約するといくらとこちらも「見える化」する取り組みがなされています。

さらに、これらの取り組みについて1度だけではなく、定期的に周知することもまた重要です。そのために大切なのが「リマインド」です。

リマインドとは
忘れてはいけないことを思い出させるためのお知らせのことです。

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欠乏に陥らないためのポイント
スラック


スラックとは
英語で緩み、たるみを意味するスラックは、経済用語で使われていない余裕の資源を意味します。

スラック(余裕)があれば予想外のことがあっても対処できます。アメリカのセントジョンズ地域医療センターの例を見てみましょう。同センターには32ある手術室はいつもいっぱいで急患があった場合は、その都度、手術スケジュールを組み直すことで対処していましたが、ミスが多く発生していました。

この状態を専門家に相談したところ、急患用にひとつ手術室を空けておくことを提案された。助言に基づいて実施したところ効率が格段にアップして毎年手術件数が7~11%増加する結果となっているといいます。まさにスラックの効果と言えます。


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posted by CYL at 23:26 | オイコノミア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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