2017年01月28日

オイコノミア(Eテレ) 音楽の経済学

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オイコノミア
音楽の経済学


今回のオイコノミアのテーマ「音楽」です。音楽について経済学の視点から見ていきます。これまで音楽はCDという形式で販売されてきましたが、現在はitunesなどを始め楽曲のダウンロードサービスが主流となっており、1曲から購入が可能です。さらに今では定額で楽曲が聴き放題というプランもあり、年々CDの販売枚数は減少の一途を辿っています。その一方でライブやコンサートの件数が年々伸びています。

今回はライブのチケット高額転売問題を通して見えてくるチケットの価格について学び、さらに価格をテーマに掘り下げて消費者がサービスの対価として支払う金額についての意外な一面に迫ります。

経学用語「補完財」とは?
東京渋谷にある書店には音楽CDや雑貨小物、ワインなどが販売されています。この店舗の形式を経済学で見てみるとひとつの経済用語が浮かび上がります。それが補完財です。

補完財
2つの財を一緒に使うと効用がより高まる財

例 パンとジャム

音楽単独で販売するのではなく、他の商品と組み合わせて売ることで補完財の働きをするのです。最近は多くの店舗でこのようにメインの商品とは別のものを販売しているお店を見かけるようになりましたが、まさに補完財効果を狙っているのでしょう。

チケット高額転売問題
CDの販売が伸び悩む一方でライブやコンサートの売り上げは伸びています。2016年8月 チケット高額転売に反対する新聞広告が掲載されました。このチケット高額転売問題について経済学から考えてみます。


高額転売が起こる理由
まずどうしてチケットの高額転売が起こるのでしょうか。その理由から考えてみましょう。チケットの値段と観客数の関係は、チケットが安ければ多くのひとが購入します。一方でチケットが高額の場合は購入するひとは少なくなります。

あるアーティストのコンサートのチケットが8,000円だったとします。8000円の場合の観客数は300人とします。チケットの値段を12,000円にした場合は、150人が購入します。すると150枚のチケットが余ってしまいます。また、チケットの値段を4000円にした場合は、400人の人が購入を希望します。すると100名がチケットを買いたくても購入できない結果となります。

そして、ここがポイントなのですが、チケットを購入できない人の中には、チケット購入に4,000円しか出さない人と4,000円以上支払ってもコンサートに参加したいという人がいます。4,000円以上支払ってもよいという人の需要が発生するため、高額高額転売を目論む輩が出現するのです。

つまり、チケットの価格が安いことが高額高額転売問題の原因のひとつと考えられます。しかし、長期的な視点からみるとチッケットが安い方がアーティストとファンの両方にメリットがあるのです。その理由は、、、

チケットを安く売る理由
・長期的にファンでいてもらうため
・ファンの新規開拓ができる

アーティストとファンの双方にメリットがあるようにチケットの価格は設定されているのですが、高額転売が起こるとその価格のバランスが崩れてしまうため、先に紹介したように新聞広告で高額転売に対する反対を訴えたという訳です。

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価格についての経済学
行動経済学の実験

行動経済学者のウリ・ニーズィが行なった実験です。実験の舞台となったのはツアーボートです。このボートには乗船前に写真を撮って後で販売するというビジネスがありました。ニーズィは定価15ドルで販売している記念写真を次の3通りの方法で販売し、どの方法が最も売れるか調べました。

1、定価の15ドルで販売
2、5ドルに値下げして販売
3、客の言い値で販売

結果は次のとおりでした。それぞれ左から15$で販売した場合、 5$で販売した場合、 言い値で販売した場合の数値が並んでいます。

注目すべきは言い値で販売した場合の1枚あたりの利益が3.50$と他の他の販売方法よりも良いことです。その訳を経済学から考えてみるとひとつの経済用語が浮かび上がります。それは「セルフイメージ仮説」です。

購入者  23% 64% 55%
平均価格  15$ 5$ 6.43$
1枚の利益  3.45$ 3.2$ 3.50$

セルフイメージ仮説
自分がフェアな人間であるという自己イメージを守るために利他的な行動をとるという行動経済学の仮説


このセルフイメージ仮説は誰も見ていなくても働くことがポイントです。オーストリアで行われた実験でレストランで食事をした後に客の言い値で支払いを行いました。その支払方法は2つあり、ひとつは言い値の金額を封筒に入れる方法、もうひとつは直接レストランのオーナーに支払う方法です。

どちらが多くの金額を集めたでしょうか。結果は意外かと思われますが封筒に入れて支払う方法の方がより多くの金額が集まったのです。つまり、誰が見ていなくても自分自身のセルフイメージを保つために人は行動をすることを意味しています。

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posted by CYL at 09:37 | オイコノミア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする