2016年01月16日

お金と感情と意思決定の白熱教室|行動経済学

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お金と感情と意思決定の白熱教室|行動経済学



お金を使わせる仕組み
心の中のお財布とは?

カジノで有名なラスベガスには、人々にお金を使わせる仕組みがあります。それがチップです。カジノでゲームに参加するにはお金をチップに変える必要があります。心理的にお金がチップに変わることで、「これはラスベガス用のお金だから無くっても問題ない」という意識が働きます。いわば、これは心の中に別の財布を作っているのです。

理由なき一貫性
最初に行った理由なき意思決定がその後の行動を支配することを「理由なき一貫性」と言います。

例をあげてみましょう。あなたは、毎日ファストフード店でコーヒーを25セントで買っていると想像してください。ある日の午後、喉が渇いたあなたは目に入ったコーヒーチェーン店へ向かいました。店に入るとコーヒーの値段が、2ドル50セントであることに驚いた。しかし、すでにお店に入ってしまったあなたは買った方がいいだろうと判断し、結局コーヒーを買って飲んだ。すると妥当な値段だと感じた。これが月曜日の出来事でした。

木曜日になるとすっかり月曜日に感じた感情(値段が高い)ことは忘れていましたが、お店でコーヒーを買ったことは覚えています。そして、自分はいつも正しい意思決定をするから間違いないとまたそのコーヒーチェーン店でコーヒーを購入ました。そして、あなたはその店の常連となります。

これは最初の意思決定が賢明なものでなかったとしても、そえがアンカー(錨)の役割を果たし、その後の意思決定に影響を及ぼしました。これをアンカリング効果といいます。

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最初が高ければその後は安い
ある会社のスマートフォンが発売された当初、その値段は600ドルでしたが、すぐに400ドルに値下げされました。これは素晴らし戦略でした。

もし最初から400ドルで売り出されていたら、消費者は何と比べていたでしょうか?答えは、他の携帯電話です。他の携帯電話は120ドルくらいだったのにと。

しかし、そのスマートフォンには新機能が搭載されていました。タッチパネル操作と指での画面の拡大や縮小ができるのです。新機能の価値は、20ドルかそれとも60ドルかと消費者は考えますが、最初600ドルで販売された場合は、30%安くなったと感じます。比べる対象は今は存在しない600ドルのスマートフォンが判断材料となるのです。当時は買うことを考えていなかったとしても立派な判断材料となるのです。

つまり、商品の印象は初めて市場に投入された時に形成されるということです。また、その印象は長期にわたって継続します。過去の商品を振り返って自分の意思決定は正しかったと考えるからです。裏を返せば、最初に商品を無料にすると、その後、お金を払ってもらうことはとても難しいと言えます。

適正価格は何で決まる?
適正な値段は、努力によって決まります。鍵屋の例をご紹介します。新米だった頃は丁寧に慎重に仕事をしていました。鍵を開けるのに100ドル、新しい鍵代として20ドルでしたが、中にはチップまで支払ってくれるお客もいました。

経験を積んでスキルアップした鍵屋は、今では数分で鍵を開けることができるようになりました。値段も合計100ドルと20ドル安くしました。ところが、誰もチップをくれないばかりか、高いと文句を言われることもあるのです。

両者の違いは何でしょうか?失敗をしながらも汗だくで40分かけて鍵を開けて120ドルと数分で鍵を開けて
100ドル、あなたはどちらにお金を払いたいでしょうか?前者という人が多いのではないでしょうか。

つまり、人はスキルに対してはあまりお金を払いたがらないのです。適正価格かどうかは努力で判断されることがわかります。

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無料の魔力
現在、たくさんのアプリが開発・販売されていますがそのほとんどが無料です。時々、99セントのアプリを見るととても高いと感じてしまいます。コーヒーには3ドル払っているのにもかかわらず。それはアプリは無料が当たり前だと考えているからこそ、99セントがとても不快に感じてしまうのです。

あなたがアプリの設計者だったらどうでしょうか?無料で販売しますか?それはとても危険です。無料という魔力に人々は惹かれてしまい僅かな追加料金さえも払いたくないと考えます。無料にせず最初に10セントに設定していれば、たとえそれを99セントに跳ね上げても遥かに払わせやすくなるのです。

オンラインの新聞を例に考えてみましょう。業績があまり良くない新聞が無料にしたとします。すると人々は無料の新聞に乗り換えてしまい、業績が良かった新聞まで無料にせざるを得なくなります。つまり、無料は「底辺への競争」を生み出す恐れがあるということです。


無料は「底辺への競争」を
生み出す恐れがある



実際にアメリカでは銀行口座で「底辺への競争」が起きています。維持費無料の口座がありますが、銀行はその維持費をどのように賄っているのでしょうか?実は、ATMやデビットカードで口座残高がゼロになった時にたとえば35ドルを支払うという仕組みがあり、そのお金で維持費をまかなっているのです。つまり、貧しい人が維持費無料というサービスを支えているのです。

このようになってしまった経緯は、ある銀行が維持費を無料にしたところ、皆がその銀行へ乗り換えてしまったために、他の銀行も追従せざるを得なかったのです。これは悪い影響をもたらしました。銀行は高い罰金を取るなどの手段でお金を得るようになったからです。


”無料が可能な市場をつくると
人々は無料へと向かうため
市場全体を破壊しかねない”


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posted by CYL at 20:32 | 白熱教室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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