2015年12月31日

”幸福学”白熱教室|お金と幸福

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”幸福学”白熱教室
第1回「お金はあなたを幸せにしますか?」


ブリティッシュ・コロンビア大学
心理学部准教授 エリザベス・ダン博士


講義要旨
ドキュメンタリー映画「happy〜しわせを探すあなたへ〜」は、国や民族、生活環境が異なっても幸せになるためにはある法則があることを様々な事例を通して紹介し話題を集めました。

第1回のテーマは「お金と幸せ」です。経済的な豊かさと幸福の関係は、わたしたちが、考えているほど大きなものではなく、より重要なのはお金の使い方だとダン博士は語ります。

幸せになる3つのお金の使い方
経験を買う
ご褒美化
他者への投資



経験を買う

物を買うよりも経験にお金を使う方が幸福度が高いことがわかっています。旅行やご馳走の方が物を買うよりも幸せを感じるのです。

ドイツで行われた実験で、引っ越しをした人の調査を行ったところ、家に対する満足度は上がっていたものの、幸福度についてはほとんど変化が見られないことがわかりました。つまり、物質的満足と幸福度は必ずしも同じではないことがわかります。

マーク・トゥエインの名言
”したことよりもしなかったことの方が20年後に後悔することになる。(Twenty years from now, you will be more disappointed by the things that you did not do than by the ones you did do.)" Mark Twein

マーク・トゥエインの格言の通り、経験への支出についての調査では、「支出しなかった後悔」が8割を占めます。一方で、物質への支出については、「支出への後悔」がおよそ6割を占めるという結果があります。

物質は容易に比較できるのに対して、経験は比較できません。その上、人は買ったものことよりも経験したことの話をしたがる傾向があるのです。


「経験を買う」のポイント
記憶に残る
個性を感じる
社会的価値を共有する



年収と幸福度
アメリカのプリンストン大学の研究者が2010年に発表した年収と幸福度についての調査。ランダムに選ばれた45世帯のアンケートから導き出された結果では、年収が75000ドル(およそ750万円)に達すると生活の満足度は上がっていくのですが、幸福度はそれ以上、上がっていかないことがわかりました。つまり、物質的な満足度がそのまま幸福度に結びついていないことを示しています。

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ご褒美化

ぜいたく×ぜいたく=慣れ
人は、ぜいたくにすぐに慣れてしまいます。そのため、かえってそのぜいたくが人間の幸福度を下げることがわかっています。

あるグループにまずチョコレートを食べてもらいます。その後、グループを2つに分けて、一方のグループには1週間チョコレートを禁止します。もう一方のグループは好きだけ食べてもらいました。

その後、チョコレートを食べたときに感じる”楽しい”という感情について2つのグループを比較したところ、1週間チョコレートを禁止されていたグループの方が前よりもチョコレートを食べたときに、”楽しい”と感じたのです。

マッサージにも慣れ
マッサージについても同様のことが言えるようです。マッサージは最初は気持がいいが、だんだん慣れてくることで、徐々にマッサージに集中できなくなってきます。そのため、途中で休憩を入れることによって、最初に感じた気持ちよさを再び得ることができるといいます。

ビッグベン問題
世界中から観光客を集めるビッグベンですが、地元ロンドンの人が訪れることはほとんどないといいます。それは身近すぎるあまり、わざわざ見に行こうと思わないのです。

地元の人が観光名所に行くときは、ロンドンから離れるときだといいます。つまり、楽しみを味わうチャンスが限られてくるとより経験に積極的になるのです。

それを示すよい例が、クーポン券です。クーポン券は、有効期限が長い方が多く使われそうですが、実際に多く使用されるのは、期限が短いクーポン券なのです。その理由は、先のビッグベン問題と同じように、チャンスが限られた方が、より経験に積極的になることが関係しています。

ご褒美化:主な材料
・新しい見方をする
・中断を挟む
・消費を控える


好きなものをご褒美化することによって、より楽しむことができます。現代の消費は、いつでも好きなだけというものですが、その逆、つまり節制した方がより楽しみが増えるのです。ときにぜいたくは幸福の妨げになります。

他者への投資

ある実験を紹介いたします。5ドルの現金を学生に渡します。一方のグループには、自分のために使うよう指示し、もう一方のグループには、他人のためにお金を使うことを指示しました。結果は、他人のためにお金を使ったグループの方が、幸福度が高かったのです。
 
まとめ

第1回講義のテーマ、お金と幸せについてまとめると、まず、物を買うより経験を買う方がより大きな幸福感を得ることができるということです。そして、好きな物は控えめにしてとっておきのご褒美にすることで楽しみがより大きな楽しみとなります。さらに、他人のためにお金を使うことは幸せになる最良の方法のひとつであるということです。
posted by CYL at 09:00 | 白熱教室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする