2015年12月27日

お金と感情と意思決定の白熱教室

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お金と感情と意思決定の白熱教室


興奮状態とさめた状態
意思決定は変わるのか?


感情の読み違え
人は感情の発端を読み違えることがあります。心理学の問いかけに次のようなものがあります。人は怖いから走るのか走るから怖いのか。

ひとつ例を紹介しましょう。あなたは男性で、つり橋の上で女性と出会うとします。その女性があなたにとってあまり興味のない話をします。話にはあまり興味がないあなたですが、女性には興味があるとします。そんなとき女性から「話の続きを聞きたければ、この電話番号に電話をして」と女性の電話番号を渡されます。

ここで問題です。女性から渡された電話番号に電話をしたのは、つり橋の真ん中で渡された場合とつり橋をわたりきった場所、どちらで渡された方が、電話をかけた人が多かったでしょうか?

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答えは、つり橋の真ん中で渡された場合の方が、電話番号をかけた割合が高かったという結果となりました。それは、つり橋の真ん中は橋の揺れが大きいためドキドキとした感情が生まれます。そのドキドキを恋愛感情と人は勘違いをしてしまうことがあるのです。”感情の発端の読み違え”とはこのようなことをいいます。


天気に人の感情は左右される
あなたは幸せ?という単純な質問を、晴れた日と雨の日に被験者に行ったとします。驚くことに質問の答えは、その日の天気によって変わるのです。ところが、質問の前に、きょうの天気について質問を入れると、人は自分の憂鬱な気分の原因が雨(天気)によってもたらされたことに気がつくのです。


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感情と行動の不思議な関係
寄付金と災害の被害者数の関係には意外な関係があります。被災者の数が多い方が、寄付金の額も大きくなると考えるのが普通ですが、実際には、その逆で、被災者の数が多い方が寄付金の額が小さくなっています。

スターリンの言葉に次のようなものがあります。”1人の死は悲劇だ。でも100万人の死は統計上の数字にすぎない。”

物事を”数字の問題(統計的)”として捉えた途端、”感情のスイッチは切れてしまいます。物事に関心を向けるのは感情があってこそなのですが、数字として捉えた途端、感情のスイッチが切れてしまうのです。その結果、行動を起こすことがなくなるのです。(寄付をしない)

問題が大きくなればなるほど、人の関心は小さくなる」という感情のメカニズムがあるのです。

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寄付を集めるためには
たとえば、寄付を集める際に、寄付金の使途について、8人のうち誰かにお金を渡すと言って寄付を集めた場合と、8人のうち特定の1人にお金を渡すと言って寄付を募った場合では、特定のひとりを選んだグループの方が多くお金を置いていったという結果があります。

また、ロキアというひとりの少女の話を伝え寄付を募った場合と、国レベルの問題を伝え寄付を募った場合では、前者は平均で5ドル寄付を集めたのに対して、後者はその半分の数値でした。

寄付を募る際の提示の方法には、感情に訴える方法と数字(統計)で訴える方法がありますが、その二つを組み合わせた場合はどうでしょうか。上記の実験で、ロキアの話と国レベルの話を組みあせて寄付を募ったところ、国レベルの問題を伝えて寄付を募った場合よりはよい結果となりましたが、ロキアの話をして感情に訴えて寄付を募ったほどの効果はありませんでした。

つまり、人は、論理的に考え始めると感情のスイッチが切れてしまうため、感情と数字(統計)の相乗効果はなく、両者は共存できないことがわかります。

感情は行動の原動力
人は感情が高まるといつもならやらないような行動をしてしまうことがあります。たとえば、迷惑メールの送信者は、なんとかして受信者と関係を築こうとします。その方法のひとつが写真を添付することがありますが、それは、受信者の感情を揺さぶることで、普段なら返信しない人に返信をさせるようにしているのです。

まとめ

自分の感情がいかなるときによい行動に結びつくのかを理解することが大切である。感情のスイッチを切ってデータに基づいて行動を取った方がよい場合もあるが、ときには感情の赴くままに行動した方がよいときもある。
posted by CYL at 09:00 | 白熱教室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする