2015年08月28日

カンブリア宮殿|西川産業社長_西川八一行(47)

カンブリア宮殿|西川産業.jpg


カンブリア宮殿|
西川産業社長_西川八一行(47)


家庭用寝具市場は、2014年には7345億円とここ5年で25%アップする成長産業です。

西川産業といえば、羽毛ふとんで有名ですが、まくらやベッドなどあらゆる寝具を手がけています。その年商は、334億円で寝具業界トップを走り続けています。西川産業は、睡眠の質を上げることで、翌日を変えて病気になりにくい体にしていくことを目指しています。

1b9276f39e1aead3e09168dcad351879_s.jpg


西川産業:ルーツは近江商人

西川の創業は1566年、2016年には創業450年になる超老舗企業です。時は戦国時代、今川義元が織田信長を破った桶狭間の戦いの6年後、初代西川仁右衛門が近江で行商をはじめたのが始まりです。その二代目の甚五郎は江戸に出て大ヒットを生みました。近江蚊帳というもえぎ色と朱色で色付けした蚊帳が江戸で爆発的にヒットしたのです。その後、明治時代1887年、その当時、ふとんは各家庭で手作りされていましたが、11代目はふとんを日本で初めて商品化しました。

カンブリア宮殿|西川産業歴史.jpg


現社長は婿養子

西川さんが、大学を出て入社したのは大手の銀行。そこで頭角を現し入社3年目には、ニューヨーク支店に配属されエリート街道を歩んでいました。そんな折、1993年に勤務していた世界貿易センタービルで地下爆破テロ事件が発生し、西川さんはその時、ビルの中にいました。死が頭をよぎった西川さんは自分には他にやるべきことがあったのではないかと考えたといいます。その頃、西川産業の元会長の姪と出会い結婚し、金融にはないモノをつくって売るという商売に興味をもち西川産業に入社を決めました。入社から10年が経過した2006年には38歳の若さで社長に就任しました。

大ヒットマットレス「AiR」開発の裏に

しかし、就任当時の西川産業は決して順風満帆ではありませんでした。その売り上げは落ち込み、ピーク時の半分になっていました。当時、西川さんには会社消滅の危機感があったといいます。その当時の商品は、おとなしくどこか似たようなデザインで、購買層は年齢が高めの人がほとんどでした。そこで、起死回生を狙って開発したのがマットレスのAiRでした。しかし商品化までは困難の連続でした。

とくに社員の反対にあったのは、西川さんが提案したマットレスの色でした。西川さんが提案したのは、赤と黒のツートンカラーですが、これまで取り組んだことがない色で、明るい色は売れないとされていた社内からの賛同をなかなか得ることができませんでした。

心が折れそうになったとき、西川さんが通っていたのが、近江八幡市にある西川産業がはじめて商売を始めた場所でした。そこには、道具に色を塗らない時代に二代目の甚五郎がもえぎ色と朱色に染めた色付きの蚊帳がありました。西川さんはそれを見て先代から背中を押してもらっていたのです。

1年をかけて社員の賛同を得た西川さんは、AiRを発売し、累計35万枚を売り上げる西川史上最大のヒット商品となっています。さらにAiRの成功は、社員の間に新しいことへ挑戦する空気が生まれたといいます。西川さんは、色を変えることよりも社員の気持ちを変えることに時間がかかったと語ります。

カンブリア宮殿|西川産業のルーツを残す.jpg


西川さんが、社長を引き受ける際に、元会長から言われた言葉が「革新の連続が伝統だ」という言葉です。西川さんが、実感しているのは、何を残して何を変えるのかの判断が難しいということです。西川さんが残すものとして大切にしているのが、西川産業のルーツである近江商人の商いの心得でした。

近江商人は、三方良しという、売り手、買い手、世間、すべてが喜ぶ商売の心得で繁栄を築いてきました。この教えを守ろうと社員を説得したのでした。つまり、卸業を営む西川産業ですが、取引先に商品を納めたら終わりではなく、消費者に向けて新しいマーケットをつくっていくことを目指しているのです。いまは、一人一人のニーズに合わせてサービス・商品を提案することが大事な時代だと西川さんは語ります。

カンブリア宮殿|西川産業の取り組み.jpg


西川産業の取り組み

日本睡眠科学研究所
睡眠を科学的にとらえ研究する部署を日本ではじめてつくったのが西川産業です。その目的は、科学的な裏付けをつくっていくことにあります。ただ古いだけの老舗ではなく同時に最も新しいこともやっていくのが西川産業です。

店舗改革
女性若手社員が責任者を務めるのが、パステルカラーの売り場で、自分にあったかわいい枕がつくれるお店「ピローウィーカフェ」です。若い女性をターゲットにしたオーダー枕のお店で、体の形状を図り個人にあったまくらの形を提案します。枕の中に入れる素材は7種類から選択し、完成までおよそ30分で値段は1万円です。

西川チェーン|眠りの相談所
現在、全国に約350店舗ある西川の商品を販売するチェーン店を眠りの相談所にするプロジェクトが行われています。これまでのチェーン店は寝具を販売することだけが目的でしたが、眠りの相談ができるサービスを加えることにしたのです。

西川産業のオリジナル資格である羽毛ふとん診断士の資格をつくり羽毛ふとんのリフォームなどの相談や、スリープマスターと言われる睡眠に関する専門知識を取得した証を持った人による寝る姿勢など睡眠に関する相談を無料で行えるようにしてお客との接点を増やすことを目指しています。


posted by CYL at 15:17 | カンブリア宮殿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする