2015年08月17日

夢の扉+|丸玉屋社長_小勝敏克さん(65)

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夢の扉+|丸玉屋社長_小勝敏克さん(65)

花火の新たな感動を追求する

音楽と花火のシンクロ

小勝さんが率いる丸玉屋は花火ショーのプロ集団です。手がける花火イベントは8月だけで127を数え、何日も家に帰れない日もありますが、スタッフはお客の歓声や拍手を聞くとやり甲斐がある仕事だと語ります。

丸玉屋の花火の大きな特徴は、花火と音楽のシンクロです。いまでは多くの花火大会でも使われる演出となりましたが、日本で初めて本格的に導入したのが小勝さんです。小勝さんの花火ショーはまず選曲から始まります。曲の編集作業は、曲と曲の繋ぎ方次第で感動が変わるといいます。

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小勝さんのあゆみ

小勝さんは、29歳で親族が経営する花火会社へ入りました。しかし、伝統の花火師を目指すには遅する年齢でした。先輩と同じ事をしても生き残っていけないと考えた小勝さんは、花火大会を変えることを目指しました。そして、いままでと違う切り口を常に探していたといいます。

小勝さんは、江戸時代に鎮魂のためにはじまった葛飾納涼花火大会に新しい風を吹かせたいと考えていたある日、1985年のモントリオール国際花火大会でフランスチームの花火を目にしました。見事に音楽とシンクロし、音楽が花火の感動と迫力を倍増させていたのです。小勝さんはこれを日本へ持ち込もうと決意しました。そしていまから21年前、日本でいち早く本格的な花火と音楽のシンクロショーを実現させました。興奮する観客を見た小勝さんは足が震え、これで日本の花火大会が変わると確信を得た瞬間でした。

いまでは、小勝さんが切り開いた演出法は多くの花火大会で採用されています。しかし、決して満足することはない小勝さんは、「人と同じ事は絶対にやりたくない」「決して同じ所には留まりたくない」「成功なんて一瞬で過ぎ去る」と語ります。

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新しい花火打ち上げ法

毎年横浜で開催される神奈川新聞花火大会は、約20万人が集まる神奈川県下最大級の花火大会です。そんな花火大会のフィナーレを任されていたのが丸玉屋でした。小勝さんは、従来法として主流となっている地上からの打ち上げではなく、鉄筋でタワーを組んでそこに花火を設置して打ち上げるという新しい打ち上げ法により、新たな花火の可能性を探っていました。

花火と音楽をシンクロさせると一口に言っても簡単なことではありません。花火と音楽をシンクロさせるためには、点火して花火が開く時間を計算し、綿密に音楽とシンクロさせるコンピュータプログラミングが必要となります。いまでは花火の打ち上げはすべてコンピュータ制御だからです。ときに100分の1秒単位で、打ち上げ時間、打ち上げ方、花火の種類を決めていきます。

花火を生きる力にしてほしい

一方、丸玉屋は、花火大会の会場から3キロ離れた場所にある横浜市立みなと赤十字病院でもうひとつのプロジェクトを進行させていました。そのプロジェクトには、会場に来たくても来られない人たちにも花火を届けていきたいという丸玉屋の思いがありました。会場で流れる音楽をリアルタイムに病院に届けることにしたのです。このプロジェクトを担当する丸玉屋の担当者は、大親友を事故で亡くしどん底にあった自分を救ってくれたのが花火だったといいます。あの時の自分と同じように花火を生きる力にしてくれる人がいればいいと語ります。

丸玉屋の花火は、会場に詰めかけた多くの人々と病院の窓から眺める患者さんとその家族に、たくさんの笑顔と大きな感動をもたらしていました。それを目の当たりにした小勝さんは、新たな挑戦へ苦難の道への始まりだと語りますが、その顔には満面の笑みで溢れていました。


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posted by CYL at 11:22 | 夢の扉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする