2015年07月24日

カンブリア宮殿|龍角散8代目社長_藤井隆太(55)

カンブリア宮殿|龍角散8代目社長藤井隆太さん.jpg


カンブリア宮殿|龍角散再生の奇跡のドラマ
龍角散8代目社長_藤井隆太(55)



龍角散のルーツ

龍角散は明治4年(1871年)創業の製薬会社です。140年以上経ったいまでも創業の地である東京神田に本社を構えています。

龍角散のルーツは江戸時代にさかのぼります。江戸時代、秋田藩主の佐竹家の御典医(殿様に仕える医者)として、喘息だった殿様のために龍角散という薬を調合したのが創業家の藤井家の祖先でした。

音楽家志望から家業へ

藤井さんは、高校・大学と音楽の名門桐朋学園で学びました。フランス留学中にはコンクールで優勝した経験もあり、そのままプロになるつもりでしたが、家業を継ぐために夢を断念しました。帰国後は、武者修行のため他の製薬会社などに勤めていましたが、1995年に父が病に倒れ、35歳の若さで急遽社長に就任することになりました。

倒産危機

当時龍角散の販売数は年々減少の道を辿っていました。小さな匙ですくって飲むスタイルが時代にそぐわず、年商40億円の時代に、40億円の負債を抱え倒産寸前でした。藤井さんは窮状を訴えますが、古参の幹部にまったく危機感はありませんでした。

藤井改革|原点回帰

龍角散の顆粒タイプの発売
泥縄式に出した新商品はことごとく失敗し、そこで藤井さんが行ったことは、のどの専門という原点に立ち返ることでした。そのひとつが会社のルーツともいえる龍角散の見直しでした。匙ですくって飲むタイプとは別に袋に一回分を入れた顆粒タイプを発売しました。

キャッチフレーズ変更
龍角散のCMでおなじみのキャッチフレーズ「ゴホンといえば龍角散」は、風邪をイメージさせるとして、「のど、直接、うるおう」とキャッチフレーズを変更しました。すると風邪が流行る冬だけでなく、のどを守る薬として通年売れる商品へと変わりました。

新商品開発
さらに世界初の商品「服薬ゼリー」の開発に成功しました。服薬ゼリーは、薬を飲むための補助の役割を果たす商品です。薬が嫌いな子供には、粉薬と混ぜて一緒に飲ませたり、錠剤を飲み込むのが苦手なお年寄りには、錠剤と一緒に飲むことでスムーズに薬を服用することができます。

開発のきっかけ
開発のきっかけは、開発部に席を置くひとりの社員(薬剤師)のことばでした。その社員と一緒に、介護施設に向かった藤井さんが目にしたのは、ご飯などに薬を混ぜて食べる高齢者の姿でした。のどの力が衰えた高齢者には食事に混ぜて飲んでもらうしか方法がなかったのです。そんな光景を目の当たりにした藤井さんは、龍角散の技術で少しで状況を改善できるのならばと開発に着手しはじめたのです。

龍角散本社には、服薬ゼリーをつかった本人やその家族から感謝の手紙が届いています。服薬ゼリーは、累計4000万個を売る大ヒット商品となりました。

カンブリア宮殿|倒産危機藤井改革.jpg



生薬問題|国産化の取組

漢方薬は2種類以上の生薬(薬草など)を組み合わせてつくるものですが、いまそんな生薬に問題が起きています。それは、日本で使われている生薬のおよそ8割が中国からの輸入品で、しかも、世界的な健康ブームにより生薬の需要が増え、価格が高騰しているのです。

たとえば、龍角散につかわれている”甘草(かんぞう)”の価格は、過去3年間で2倍になっています。漢方や龍角散につかわれる原材料の生薬の安定供給が難しくなってきているのです。

問題解決のため、藤井さんがやってきたのは、秋田県美郷町にある甘草の試験栽培地でした。現在、藤井さんは全国の様々な自治体と連携し、生薬の安定供給のため、生薬の国産化に取り組んでいます。この取り組みは龍角散単独の事業ではなく、藤井さんが会長を務める東京生薬協会の事業として行っています。


カンブリア宮殿|生薬問題.jpg


posted by CYL at 18:22 | カンブリア宮殿 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする