
あさイチ|オンナの保健室
「閉経」なったらどうする?
「閉経」なったらどうする?
女性ならだれもが避けて通ることができない「閉経」について、思春期に保健室の先生に悩みを相談したように、あさイチがオトナの保健室として、不安や悩みを解決していきます。

閉経とは
閉経とは、1年以上生理がないことをいいます。閉経の年齢の平均は50歳〜52歳となっています。閉経の前兆としては、最初は生理の短くなることが多く、その後間隔が空くようになってくるといいます。生理周期の異変や生理の量に異変が起こります。
閉経後の体の変化に詳しい産婦人科医の吉野一枝さんによると閉経のパターンには主に3種類あるといいます。

突然さよならタイプはその名の通り、生理が突然終わるタイプです。フェードアウトタイプは、だんだん生理の間隔が延びていってなくなるタイプで、きまぐれタイプは、1ヶ月に2回生理があったかと思うと2〜3ヶ月来ないといったことが起こるタイプです。一番多いのが気まぐれタイプで、最終的にはフェードアウトになって終わっていくことが多いといいます。
生理が乱れてくるのは40代に入ると徐々に見られるようになり、上記の3つのタイプが現れるのが40代後半くらいが多いと言われています。初潮が早かったひとは閉経が早いということはなく、初潮が早いということは卵巣の機能が良く女性ホルモンが活発に分泌されているので、通常は閉経も遅いといわれています。
また、閉経を挟んだ10年を更年期といいます。更年期には体温調節が弱くなったり、イライラしたり、落ち込んだりということがあります。

お悩み|もれ
尿漏れに悩む女性を数多く診察している泌尿器科医の関口由紀さんによると、閉経によって女性ホルモンが減ることで自律神経のバランスが崩れ、膀胱の出口が開きやすくなるといいます。そのため、ちょっとした負荷がかかっただけでも尿漏れが起こるようになるのです。50歳くらいから尿漏れが増えてきます。
尿漏れを防ぐトレーニング
尿漏れを防ぐには「骨盤底筋トレーニング」を毎日やることが有効です。肛門を締めて、尿道と膣をきゅっと締める、そして両方を締めて持ち上げて5秒くらい維持してゆるめるというのが基本動作です。
トレーニング方法
椅子に座って足は自然に下におろします。まず背筋を伸ばして息を吸います。そして、おならを我慢するような感じで肛門をしめます。つづけて、おしっこを我慢するような感じで尿道と膣をしめます。さらに3つに力を入れたまま上に持ち上げ5秒維持してゆるめます。この動きを3回から5回繰り返します。
筋肉に力が入っているか確かめる方法があります。湯船で全身リラックスして、第2関節くらいまで指を膣に入れ、肛門をしめて、尿道と膣をしめて上に持ちあげるときに指が上に持ち上げられると正しい筋肉の収縮をしていることになります。
「骨盤底筋トレーニング」をしていれば8割から9割のひとが尿漏れがないとされています。予防としての目安は1日1回ですが、治療としては1日に3回は行った方がよいといいます。また、尿漏れからさらに年齢を重ねると起こる可能性がある、膣から子宮、膀胱から直腸が出てくる「骨盤臓器脱」の予防にもなるといいます。

悩み|におう
閉経後、あそこがにおうという悩みがあります。膣の中にあり感染から守る役割を担う「デーデルラインかん菌」が、女性ホルモンの減少によって、膣の中に雑菌が増えるため、あそこがにおうということが起こります。
対処法としては、もしにおうと思ったら、石けんで洗わないことが大切です。膣の中は酸性になっていて、酸性であることで雑菌の繁殖を防いでいます。石けんはアルカリ性のため、石けんで洗うと膣の中がアルカリ性になり、雑菌が更に増えやすい環境になってしまうからです。ちなみに生理がはじまったときから石けんで洗うことはしないように心がけましょう。専用の酸性の石けんが販売されています。

お悩み|痛い
自転車に乗るとサドルが当たってあそこが痛い、夫婦生活の際にも痛みを感じることがあります。それは「萎縮性膣炎」といって膣が萎縮して粘膜が弱くなっていくことが原因とされています。病気ではなく加齢によって起こるとされている現象です。
対処法としては、女性ホルモン剤(処方)を服用したり、性交痛には性器に直接塗る潤滑ゼリーが市販されています。