2015年06月18日

NHK「スーパープレゼンテーション」|「世の中にはいろんなタイプの脳が必要だ」テンプル・グランディン

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NHK「スーパープレゼンテーション」|
「世の中にはいろんなタイプの脳が必要だ」
テンプル・グランディン



Temple Grandin:
「The world needs all kinds of minds」


テンプル・グランディン
アメリカの動物学者。2歳のときに自閉症と診断される。スピーチセラピーや様々な訓練を経て、現在はコロラド州立大学教授を務め、自閉症に関する講演活動を行っています。その他、家畜施設のデザインを手がけています。教師の一番好きな部分:生徒の”やる気スイッチ”をオンにすること


通常の脳は細部を無視しますが、自閉症の脳は細部に注目する特徴があります。今の世の中は概念的な方向に偏りすぎています。実践するということから遠ざかり、体験型の授業の減少がとても気がかりです。私は美術のような科目に秀でていましたからね。

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牛に関しての話|家畜施設のデザイン
ほんどのひとが見落とす些細な点が牛を尻込みさせていました。牛の通路にもぐり、牛の視点に立ってみてわかったことです。フェンスにかかったコートや影や床のホースが牛を尻込みさていましたが、だれも気がついていませんでした。

わたしは視覚型思考という言語ではなく絵で考えるという思考を持っていますが、それは脳内で映画を見るようなものです。たとえば、教会の尖塔というと大半の人は一般的なものを想像しますが、私はグーグルの画像検索のように具体的な画像が次々と浮かんでくるのです。靴という言葉では50年代、60年代とたくさんの靴が脳内に浮かんでくるのです。

私は社交的ではなかったので自分自身ではなく、自分の作品を売る必要があると早い時点で学びました。自分が書いた図面を見せて家畜施設の仕事を得ました。わたしの視覚型思考は家畜施設をデザインする上で利点になりました。おかげでデザインした設備を自分の脳内で試験運用することができました。


情報の分別
私の視覚的思考は動物の気持ちを知る上で大きな力となりました。動物は知覚で考える生き物です。言語ではなく、絵で考え、音で考え、においで考えます。動物や私の脳は知覚で得た情報をカテゴリーに分別します。馬に乗っている人、地面に立っている人、これらはまったく別のものとして認識されます。

たとえば、乗り手に虐待された馬がいるとします。この馬は獣医や蹄鉄工を恐ることはしませんが、乗馬はさせないでしょう。一方で蹄鉄工に虐待された馬がいたとします。その馬は、地面に落ちているものや獣医を恐るようになりますが乗馬することはできます。

一般には、このように情報を分別することを苦手とする人が多いのです。私が施設の設備などの問題を解決しているとき彼らは把握できないのです。人の訓練の問題なのか、その設備に問題があるのか、設備の問題と人間の問題に分別する必要があるのですが、多くの人は苦手なのです。

航空機の問題を考えてみましょう。私が連邦航空局にいたらどこに飛行機の安全な運行についてどこに注視するかといえば、飛行機の尾部です。過去20年間で5件の大事故が尾部が原因で起こっています。私がこういうことを考えるとき、すべての詳細な情報をたぐって具体的で基礎的な部分から検証をします。細かなピースを集めて、パズルのように組み立てます。

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あらゆるタイプの脳が協力することが大切
将来必要となる時代が必ずやってくる



私をいらつかせることのひとつは、自閉症の会合に参加し多くの天才予備軍に出会いますが、ちょっと社会的でないだけで、彼らの関心を科学や他のことに向けさせようとしないことです。

わたし自身が高校のときはダメ生徒扱いを受けました。カーロック先生の科学の授業を受けるまでは勉強に興味を向けることがありませんでした。しかし、カーロック先生はわたしに目の錯覚を解き明かすよう仕向けたのです。カーロック先生が行ったことは、子供たちが興味をそそられるものを提示したということです。残念なことに中西部やあまり進んでいない地域では教師が何をすべきかわかっていないのです。そのために道を誤ってしまいます。


自閉症の脳の後頭部辺りには余剰な回路があるという研究があります。より思慮深い認識能力のある頭脳にすることもより社会的な頭脳にすることも可能です。わたしはカーロック先生に背中を押されるまで勉強嫌いのダメ生徒でしたが、仕事の経験がありました。時間を守るという基本は8歳のときに教わりましたし、祖母の家でテーブルマナーを学んだり幼い頃に教えられたのです。13歳のときには洋服の仕立て屋で裁縫の仕事をしていましたし、大学ではインターンシップに参加しました。


馬のばかり描くわたしに他の絵も描いてみないと母が言ってくれました。自閉症の脳は執着する傾向がありますがそれを利用して子供のやる気を引き出すことができます。たとえばレーシンガーが好きならそれを算数に使って、この距離を何分で走るなどと執着心を利用するのです。


わたしの背中を押してくれたカーロック先生は非公認の先生でNASAの科学者でした。アメリカではいくつかの州で生物学や化学の学位があれば教壇に立つことができます。この仕組みを有効に活用すべきだと考えています。たとえば、ソフトウェア産業をリタイアした人たちに教えてもらうことです。教える内容が古くても構いません。引き金となることが大切です。子供達のスイッチを入れるんです。新しいことは自ら学ぶでしょう。指導者は必要不可欠です。

最後にあなたの会社にインターンとして自閉症の子がやって来たとしましょう。「何かをつくれ」ではなく具体的な指示を出してください。「電話機のためのソフトでこの機能を持つ必要がある、使えるメモリはこれだ」といった具合にです。


子供達のスイッチをONにする.jpg

posted by CYL at 11:11 | スーパープレゼンテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする