2015年06月12日

NHK「スーパープレゼンテーション」|スローテレビ

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NHK「スーパープレゼンテーション」
スローテレビ


スローテレビといわれる北欧ノルウェーのテレビ番組が世界の注目を集めています。たとえば、その放送内容は暖炉で燃える薪をノーカットで12時間放送というものです。船からの景色を134時間生中継した番組では国民の6割以上が視聴し、世界最長の中継ドキュメンタリーとしてギネス世界記録に登録されました。今回のプレゼンはスローテレビの仕掛け人、ノルウェーのテレビプロデューサーのトーマス・ヘルムさんのプレゼンです。なぜ人はスローテレビに魅了されるのでしょうか?

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スローテレビのきっかけ

ノルウェーのテレビプロデューサーのトーマス・ヘルムは、意外な番組のアイデアで高視聴率をとって話題になりました。ノルウェーは国土の半分が北極圏に位置し人口はおよそ550万人です。ノルウェー最大のテレビ局がNRK(ノルウェー放送協会)でテレビプロデューサーを務めるトーマス・ヘルムは1992年に入社し、カメラマンを経てドキュメンタリー専門のプロデューサーになりました。2009年に同僚と食事中にあるアイデアを思いつきます。ノルウェーを横断する鉄道の旅をノーカットで放送できないかとひらめきました。トンネルが160箇所もあり、そもそも視聴者に受け入れられるのかと考えましたが、前代未聞の挑戦にヘルムさんは挑みました。

ヘルゲン鉄道7時間ノーカット

ノルウェーを横断するヘルゲン鉄道が開業100周年を迎えたことをきっかけに7時間のノーカット映像を取ることに決めました。撮影時間は7時間4分を想定しましたが、実際は信号故障があって7時間14分となりました。カメラは4台でそのうち3台が外の景色を映し出し、ときどき画面にテロップがでます。真っ暗になってしまうトンネルでは、記録映像を流しました。良い番組ができたと思ったヘルムさんは、鉄道オタク2000人くらいがみるだろうと思っていました。

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2009年11月に放送すると予想外の大ヒットを記録し、普通の金曜日に放送された番組は120万人が見たのです。SNSでも話題になり、人々がまるで一緒に旅をしているような感じでやりとりをしていました。76歳のある男性は終点の駅で立ち上がり荷物を取る動作をし家のカーテンレールに手をぶつけて我に返ったというほどに、番組の中に入り込んでいたのです。そんな中、視聴者から、もっと長い番組、たとえば8040分でノルウェー沿岸急行船の旅とはどうかという感想がありました。


3000kmの船旅をライブで

ベルゲンからキルケネスまで3000kmを結ぶ航路は120年の歴史を誇り、いまも沿岸住民の生活を支えています。鉄道の旅は録画したものを放送しました。列車が出発するときに手を振る男性が写っていますが、彼は記者であらかじめテレビ局から連絡をしてきてもらっていたのです。もしコレが生放送だったらたくさんの人が訪れてくれるかもしれないとヘルムさんは考え、船旅の番組は生放送で放送しようと決心しました。

多くの人が船を見送りました

テレビ局にとって船での撮影ははじめてではありませんでしたが、5日半に及ぶ番組で何がみたいか意見をネットで聞き多くの意見が寄せられました。2011年6月、番組スタッフ23人が船に乗り込んで撮影に出発しました。予想通り多くの人が船を見送りました。SNSでも盛り上がり、最終日、ノルウェー王妃が登場したときにはツイッターがダウンしてしまったほどに人々は熱狂していました。またネットを通じて世界148カ国に配信された動画はユネスコの認定を受けたため、一生残ることとなったのです。82歳の男性は番組放送中の5日間ほとんど寝ずに番組を見ていたそうです。人口550万人の国で320万人が見ていたのです。撮影をしている船の乗客まで番組を見ていました。

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連続ヒット作

その後、放送されたスローテレビでもノルウェー国民を魅了し続けました。これまで放送されたのは、鳥を観察する14時間番組やサーモン釣りの18時間の番組、12時間のテレマルク運河の船旅、薪割りの映像からはじまって暖炉の映像が8時間続く番組では国民の20%が視聴しました。さらに編み物をテーマにした番組では、羊からセーターができるまでを8時間生中継しました。

スローテレビが注目されるワケ

これほどスローテレビに人々が魅了されたのは、他の番組とまったく異なるからです。スローテレビはリアルタイム進行で視聴者は自分がそこにいるような気分になります。こうした感覚は時間を編集していないからこそ起こるのです。そして、扱う題材は身近なもの、文化に根ざしたものであることが大事です。昨夏の7週間の船旅は緻密な計画を立てましたが、どんなことが起こるかは決めたりせず、スポーツ中継のような感覚で撮影をしました。そしてストーリーは見る人につくってもらうというのがスローテレビの最大の特徴です。

ヘルムさんは「人々が”それダメだろ”というネタこそアリだと思っています。ちょっと笑っちゃうくらいのネタ、人生ってちょっとヘンなくらいが一番楽しいでしょ」と語ります。


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posted by CYL at 08:38 | スーパープレゼンテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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