2015年06月01日

「情熱大陸」ゲームクリエーター 日野晃博さん(46)


情熱大陸
ゲームクリエーター 日野晃博さん(46)


<妖怪ウォッチ 成功の法則>

「子供達が楽しんでいるのを見るのが一番やっててよかったなと思う瞬間」と語るのは一大ブームとなった妖怪ウォッチの仕掛け人ゲームクリエーター の日野晃博さんです。妖怪が見える腕時計「妖怪ウォッチ」を手に入れた少年がさまざまな妖怪と出会っていく物語は、社会現象になっています。そんな社会現象を巻き起こしたのは偶然ではなく、その裏にかつてない戦略がありました。

クロスメディア戦略

関連グッズの妖怪メダルの出荷数は2億2000万枚以上、妖怪ウォッチは360万個以上、ゲームソフト740万本以上、映画やコミックと同時に関連グッズが世に送り込まれたのです。これを クロスメディア戦略と呼よびます。

従来は、まず映画、ドラマ、漫画などから始まりヒットすると関連商品が現れるという仕組みですが、さまざまなコンテンツを同時に世に送り出すことで相乗効果が生まれる新しい戦略です。

いまではアメリカ 大手玩具メーカー「ハズブロ」と提携し、そのブームは海を越えて広がる兆しを見せています。そんな日野さんには確固たる信念があります。それは「子供達へのアプローチを怠っては絶対ダメ、徹底的に子供達にアプローチをする」というものです。

日野さんの原点は小学校の帰り道

1968年福岡県の生まれの日野さんは少年の頃から空想の世界に遊ぶことが好きでした。中学時代にはパソコンにはまりゲームをつくっていたといいます。ゲーム制作会社で働いたのち、29歳でレベルファイブ(現在の会社)を設立しました。

そんな日野さんの原点は、地元の大牟田市にあるプラモデルなどを扱う小さなお店でした。学校の帰り道にいつも寄っていたお店です。その店のおじさんから模型のつくりかたを教わったといいます。そんなおじさんを見て育った日野さんは感じました。「子供達を楽しませて、自分も楽しんでいる大人に憧れた。ああいう大人にならなきゃな。」と。

280名を率いる会社の社長

日野さんが代表を務めるレベルファイブは福岡市の中心部にあります。社員280人の会社のオフィスは、仕切りがなく顔を上げると向こうの人が見えて声をかけ合える工夫がなされています。「一人でものをつくれるわけではないのでコミュニケーションをとってはじめて良いものがつくれる。チームとしてのパフォーマンスを出すのがうちの会社の特性」と日野さんは語ります。

日野さんが、注目を集めたのは10年ほど前のこと。ドラゴンクエストの8作目を手がけ、はじめて3Dを導入しドラクエファンの心をつかみました。

社長室には社員の行列

社長室には、社員の行列ができるのは、総合プロデューサーとして細部まで目を通す日野さんにゲームのパッケージのデザインなどの決断を仰ぐためです。1時間で25案件とほとんど即断即決で決めていきます。日野さんのスケジュールは過密でそのほとんどを会議が占めます。会議は短いもので30分、長いものでは4時間というものもあります。

脚本、構成はいつ考えるのか

スケジュールのなんかには脚本、構成を考える時間が入っていません。一体いつ考えているのかという取材班の質問に、それはスケジュールが全て終わった夜の時間や移動中に考えているといいます。「考えようと考えるのではなく、普通に何気なく発想することとかの方が発想としては自然で、大きく膨らむアイデアになりやすい」と日野さんは語ります。

妖怪ウォッチに続く、巨大プロジェクト

2月のロサンゼルス、ハリウッドで活躍する日本人チームに映像作りを依頼していた日野さんの姿がありました。「スナックワールド」という新しいプロジェクトの7分のパイロット映像の仕上がりを確認するためでした。パイロット映像は、クロスメディア戦略の要になります。

玩具、テレビアニメ、ゲーム、映画、コミックの製作者たちが、”こういう世界観、こういうカラー、みんなが一瞬にして理解して、さらにその世界観を膨らませるためのアイデアをみんなが出せるようになるため”の大元だからです。よいパイロット映像ができれば、短期間に一気に「スナックワールド」という世界の面白さが膨れ上がるという現象をつくれることができるのです。

My Opinion

日野さんはいわば種をまく人であるように思います。何にもないただの土の畑に種を蒔き、一輪の花を咲かせます。それを見た人たちは種を分けてもらい自分の庭に植えて育てます。

ある人は他の種と掛け合わせて新しい品種をつくったり、ある人は花の映像を撮って披露したり、またある人は花を使ってスウィーツをつくってみんなに振舞ったり、街を花で埋めて観光資源にしたり、一輪の花から多くの人々が関わりを持つことでそれがいつの間にか社会現象になる。それがクロスメディア戦略であり、はじめの一輪の花を咲かせる、その人が日野さんなんだと感じました。


posted by CYL at 07:46 | 情熱大陸 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする