2015年05月27日

「ガイアの夜明け」タンカフレッシュ〜捨てられるモノが画期的な商品に変わる〜


ガイアの夜明け
捨てられるモノが画期的な商品に変わる


放置された竹+捨てられるお茶から作られた
青果物鮮度保持剤「タンカフレッシュ」


日本では多くの野菜が形が悪かったり傷がついたりして売り物にならず廃棄されています。またひと昔前まで日本では様々商品の材料として使用されてきた竹は、プラスチックにとって代わられ行き場を失った竹が放置されています。そんな一見何の価値もないように見えるものから価値を見出しビジネスにつなげる人々を追いました。(捨てられる野菜を原料としたクレヨン「おやさいクレヨン」はこちら)

放置される竹

昔の日本には竹をつかった商品がたくさんありました。家を囲む竹垣、竹のベンチ、すだれ、徳利、虫かご、竹ぶみ、しゃもじ、ザル、筆とたくさんのものが竹から作られていました。しかし、その多くがプラスティック製となり、竹材の生産量は、1976年に1000万束だったものが、いまでは120万束と激減しています。その一方で放置された竹林の面積は拡大しているのです。

佐賀県鹿島市にある山の竹を切り取る作業を行っていたのは近くに住む西さんです。四方八方に成長する竹は時々切って手入れをしないと山が荒れてしまうといいます。切った竹は、以前は売り物になりましたが、いまは売れず処分に困っています。そこへ一人の男性が竹を仕入れにやってきました。株式会社炭化(たんか)代表の入江さんです。

竹を利用した商品

入江さんは大手建設会社で定年まで勤めました。その際、道路やトンネルの工事を行っている際に放置された竹を見てきた入江さんはそんな竹を活用しようと3年前に会社を立ち上げました。それが株式会社炭化です。本社は佐賀市にあり、社員4人のベンチャー企業です。炭化では工場で竹を粉砕し、炉に敷きつけ独特の方法で炭にし商品にしています。炭には湿気や臭いを吸着、水や空気を浄化する作用があると言われています。

青果物鮮度保持剤「タンカフレッシュ」

炭化が開発したタンカフレッシュは、竹炭と3番茶という多くの農家では捨てられているお茶を利用してつくっています。高温でつくった竹の炭を5ミクロンくらいの大きさにした粉に水分を混ぜ合わせます。凝固剤を加えると小さな粒になります。その粒にお茶を加えゲル化して固めてみると相互作用で吸着力が高まったのです。

野菜が劣化する原因

タンカフレッシュは野菜や果物の輸送に際に使用されます。そもそも野菜が劣化する原因は野菜や果物から放出されるエチレン、アンモニア、アセトアルデヒドです。それらの物質をタンカフレッシュを使って吸い取ると鮮度を長く保つことができるのです。実験ではタンカフレッシュを入れると60%エチレンなどの物質を吸い取ったという結果がでています。

3番茶を使用

タンカフレッシュを作る際に使われるお茶は3番茶を使用します。一番茶や二番茶に比べ渋みが強く多くの農家では捨てている3番茶ですが、抗菌作用のあるカテキンがより多く含まれています。

大手香港のスーパーから引き合い

香港に4店舗を展開するシティ・スーパーには世界各国から届いた新鮮な野菜が並んでいます。その中には日本産の野菜も並んでいますが、お値段は少々高めです。その理由は空輸によるコストが価格に転嫁されているからです。スーパーの担当者は、香港では競争が激しく新鮮な野菜でも価格が高ければ売れないといいます。そこでスーパーではよりコストが安い船便での輸送を検討していました。そんな時白羽の矢が立ったのがタンカフレッシュでした。

輸送試験

入江さんはベビーリーフを栽培する八段さんを訪ねました。輸送試験に使う野菜を探しにきたのです。八段さんの栽培するベビーリーフの一種のビーツを使うことにしました。収穫したばかりのビーツの水分量を計測すると38.3%でした。八段さんによるとこれまでは国内だけの出荷しか考えていなかったが、もし香港への輸出ができるようになると可能性は広がるといいます。香港への輸送試験には、八段さんのベビーリーフほか11種の野菜を送ります。通関などの手続きを含め香港のスーパーに到着するまで11日間かかります。

タンカフレッシュを設置する箱を開発

入江さんは輸送試験に向けてタンカフレッシュを収納する特殊な箱を開発しました。箱には光触媒の加工が施されていて鮮度保持剤の効果を高める効果があります。40個のタンカフレッシュを収めた箱をコンテナに2つ設置します。これで野菜を腐らせる原因のエチレンなどの物質を吸い込む準備が整いました。

11品目中9品目合格

シティ・スーパーが担当者たちが到着した商品をチェックする姿を傍で見つめる入江さんの姿が香港にありました。結果は11品目のうち9品目が合格となりました。痛みがなどが見られた玉ねぎとレタスには鮮度ではなく梱包に問題があることがわかりました。

八段さんが作ったベビーリーフの水分量を計測すると32.2%と鮮度が落ちていないことがわかりました。結果を受けてシティ・スーパーは船便で野菜の輸送を始める方針です。その他、入江さんのもとには大手物流会社などからたくさんの引き合いがきています。タンカフレッシュは、世界の物流を変える可能性を十分に秘めた商品となりそうです。

一見価値のないように見えるものから価値を見出すそんな取り組みが今後増えていくのかもしれません。


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posted by CYL at 14:07 | ガイアの夜明け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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