2015年05月27日

「ガイアの夜明け」おやさいクレヨン〜捨てられるモノが画期的な商品に変わる〜


ガイアの夜明け
捨てられるモノが画期的な商品に変わる



日本では多くの野菜が形が悪かったり傷がついたりして売り物にならず廃棄されています。またひと昔前まで日本では様々商品の材料として使用されてきた竹は、プラスチックにとって代わられ行き場を失った竹が放置されています。そんな一見何の価値もないように見えるものから価値を見出しビジネスにつなげる人々を追いました。


おやさいクレヨン

東京・恵比寿ガーデンプレイスで安全安心の食材を集めてイベントが行われました。生産者たちは自慢の商品をアピールします。そんな中、子供たちの人気を集めているお絵描きコーナーがあります。子供達が手に持って絵を描いているのはクレヨンです。しかも特殊なクレヨンで、原材料は野菜からできています。クレヨンには赤や黄色ではなく、ごぼうなどの野菜の名前が刻まれています。

会場には来場者に熱心に説明をする野菜のクレヨンを開発した木村尚子さん(36)の姿がありました。

1年で3万セット販売

商品名「おやさいクレヨン」(2160円)は2014年3月に発売され、たちまち話題になり1年間で累計3万セットを販売する人気商品です。いまや高級雑貨店や大手百貨店からの引き合いが後を絶ちません。

さらにいまでは幼稚園や保育園でも多く使用されています。保育士の豊泉茜さんは「普通のクレヨンにはない色があったり匂いがしたりそういう刺激があったので子供たちも興味を持ってましたし、もし口にいれてしまっても害がないというのがあると安心して制作に取り組めます。」と語ります。

おやさいクレヨンの原材料は野菜です。そのため色が天然な淡い風合いと香料を使用していないので天然そのままの匂いが特徴です。また、子供が使用する上で一番気になるのが安全性ですが、食べても害がないのがおやさいクレヨンの大きな魅力のひとつになっています。

廃棄されていた野菜が原材料

青森県上北郡七戸町で農家を営む成田さん夫妻を開発者の木村さんが訪ねました。成田さんが育てるキャベツを買い取るためです。キャベツは売り物として出荷されるのは柔らかい内側だけです。外側にある葉は固く美味しくないためにこれまで廃棄されていましたが、その葉がおやさいクレヨンの原材料として使われています。

農家の成田さん夫妻も「再生されるというのが一番いい。農家にとっては。捨てるっていうのはやっぱりもったいないからね。」と笑顔で語ります。

木村さんは、さまざまな農家をめぐり形が悪い、傷があるなどの理由で商品にできない廃棄される野菜を買い取ってクレヨンの材料として利用しています。

おやさいクレヨンをつくったきっかけ

青森市に木村さんが代表を務める会社があります。mizuiro株式会社は、2014年設立で社員4人のベンチャー企業です。青森で生まれ育った木村さんは、専門学校を卒業後、デザイン会社に就職し
店舗のロゴやイベント会場のデザインを手がけてきました。その後、フリーのデザイナーとして独立
し、野菜でクレヨンをつくることを思いついたのが3年前でした。おやさいクレヨンは会社の第1号の商品となりました。

「面白いもの、オリジナル性の高いものをつくりたいと思って、綺麗な色を見たいなと思ったときに野菜だったら並ぶと綺麗かなと思って」そこで目をつけたのは形が悪いなどの理由で捨てられている野菜だったのです。

商品開発のきっかけはもうひとつありました。それは木村さんの娘さんです。木村さんは6年前に離婚し現在はシングルマザーとして11歳の娘さんと暮らしています。その娘さんは野菜が苦手なのです。そんな娘さんに野菜を好きになってもらいと思い野菜でつくったクレヨンを思いついたのです。木村さんと同じように絵が得意な娘さん。木村さんは「一緒に話しながら何かをつくるってすごくゴミュニケーションが取れる」と語ります。おやさいクレヨンは娘さんへの思いがこもった商品のようです。


わずかに残るクレヨン町工場

おやさいクレヨンの製造を請け負うのは東一文具工業所の代表の水谷和幸さん(33)です。東一文具工業所は、1953年創業で従業員4名のクレヨンをつくる町工場です。いまではクレヨンを作る町工場は全国に3件ほどしかないといいます。水谷さんは父親から後を継いだ3代目として工場を切り盛りしています。

仕事の9割は大手メーカーからの委託生産ということで「何か新しい切り口を探していた」と水谷さんは語ります。おやさいクレヨンの製造を請け負うことで売り上げは20%増加しました。「いままでは安いものをたくさんつくっていた。付加価値のあるものをつくって生き残っていくしかないのかな」と語ります。

作り方
木村さんから送られてくる野菜の粉末に食用の米油を加えます。通常は植物由来の油を加えますが、試行錯誤の末に野菜の粉末には米油が一番適していることがわかりました。米ぬかから抽出した蝋(ロウ)を入れ固めてクレヨンになります。これらの調合が水谷さんの企業秘密となっていて調合をわずかに変えるだけで、クレヨンの色合い、硬さ、書き味が変わってくるといいます。

その後、高温で溶かした液体を金型に流し込み10分ほど冷却します。固まった不要な部分を削って取り除くとクレヨンの完成です。

新色トマトのクレヨンづくり

これまでトマトは水分量が多い為、何度か失敗してきた難かし素材です。そんな折、木村さんが呼ばれて向かったのは青森市役所でした。職員から見てもらいものとして紹介されたのが地元で採れた野菜でした。どれも形がいびつだったり、形が規格外のため市場に出せなかった野菜ばかりです。その中に青森県が力をいれて栽培している「ベビーベビー」というミニトマトがありました。これまで普通のトマトを原料としてきましたがミニトマトでは試したことがなかった木村さんは早速試作づくりに取り組みました。

粉末づくり
トマトの粉末づくりを依頼したのは青森市にある食品加工会社のミリオンです。ミリオンでは青森のニンニクや唐辛子を粉末にして調味料をつくっています。まずは凍ったままのミニトマトを粉砕します。それを焦げないように50度で48時間乾燥機にいれて乾燥させます。2日後、乾燥したミニトマトを機械にかけて粉状にしようと試みますが、はやり水分量が多く機械が目詰まりを起こしてしまいました。しかしなんとか粉末を手にすることができました。

試作づくり
木村さんはトマトの粉末をもって名古屋のクレヨン町工場の水谷さんのもとへ向かいました。クレヨンの試作をお願いするためです。これまでは粉末とロウと油がうまく混ざらずに失敗してきましたが、1本だけ作った試作は綺麗に色が出て見事に成功しました。

新商品開発

同じ名古屋市内にあるミライエという寒天を使用して粘土をつくっている会社を訪ねました。実は木村さんは3週間前に野菜の粉末を送って試作をお願いしていたのです。6種類のうち4種類は商品化の目処がつき(カシス、ほうれん草、りんご、紫芋)、さらに種類を増やして7月の新商品発売を目指しています。




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posted by CYL at 12:01 | ガイアの夜明け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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