2015年05月20日

NHK「オイコノミア」子育ての経済学


NHK「オイコノミア」子育ての経済学



経済学の視点から子育てをみてみるといつもと違った側面が新たに見えてきます。小学校へ上がる前のお子さんをお持ちの方はとくに必見です。信じるか信じないかはあなた次第です。

シンクのない水道

個性的な建物が特徴的な、都内にある幼稚園。園児の数は600人、教員90人というマンモス幼稚園です。そんな幼稚園の園庭にあるのは、シンクのない水道です。シンクがないので気をつけて水を出さないと自分の足が濡れてしまいます。自分の足が濡れないように水道の蛇口をひねることで、頭で考えたことと行動を一致させる狙いがシンクのない水道にあります。また、自分の足が濡れるのが嫌なので必ず蛇口を止めるため出しっ放しを防ぐ効果もあります。園児たちに考えて行動してもらうための仕掛けなのです。


非認知能力

2000年にノーベル経済学賞を受賞した労働経済学者のジェームズ・ヘックマンは、政府が行う職業訓練の投資効果について調査しました。結果は、投資効果が低いことがわかりました。結果を受けて、学校のいる時に政府が補助したら職につけない人が減るのではないかと考え調査を行いましたが、またしても効果がないことがわかりました。大学、高校、学校に入る前と調査を進めると、衝撃的な事実が判明しました。それは「就学前での教育が子供のその後の人生を決める」というものです。

社会で成功するためには狭い意味での学力だけではない、IQや学力で計れない能力が大切です。経済学では、それを非認知能力といいます。非認知能力とは我慢強さや工夫する力、協調性、挑戦する力、計画性などを指します。


非認知能力が大きく伸ばすには就学前の教育が大切


ペリー就学前プロジェクト
1962年から1967年にかけてデトロイト市郊外で行われた実験。就学前の子供たちを2年間にわたり1日2時間半の教育を行い親にもアドバイスを行いました。その結果、小学校にあがった時点で学力を比較
を比較すると直後は差が出ましたが、その後その差は現れませんでした。

実験は失敗だったと思われましたが、40年後再び調査をすると、教育を受けた子供たちは健康、高校卒業率、持ち家率、平均所得が高く、一方で生活保護自給率、逮捕率が低いことがわかったのです。

就学前の教育では、こども自身にその日の目的を決定させて、達成するための計画を立て、目的を達成できなかったらその理由を考えて次に生かすということを行うことで、計画力や諦めない心を養うことができるといいます。


範囲の経済

いま注目の新しい保育の形態が小規模保育です。小規模保育とは、19人以下の少人数を対象に保育を行うもので、2015年4月から国の認可事業に位置づけられました。あるNPOが運営する小規模保育施設では高齢者のデイサービスが1軒家に併設されています。これは、経済学でいう「範囲の経済」にあたります。範囲の経済学とは、企業が同じ工場や設備を使い、複数の事業を展開することで生産性の向上やコスト削減ができるという概念です。

小規模保育とデイサービスを同じ施設で行うことで、家賃や光熱費を抑えることができるのです。また、こどもたちとお年寄りはお互いによい影響を及ぼしあっています。


オイコノミア的子育て相談1

相談者は2歳の娘を持つ母親です。そろそろトイレトーニングを始めたいが娘がトイレに行くのを嫌がるというのです。いい方法はありませんかという相談です。

インセンティブ
解決法のひとつにインセンティブがあります。インセンティブとは、人のやる気を引き出すために外部から与えられる刺激や動機付けのことです。しかし、インセンティブの使い方には注意が必要です。

インセンティブ設計
トイレでうんちをしたらお菓子を1つあげるというインセンティブ設計をした父親がいました。すると娘は全部出し切らずに小分けするようになってしまったのです。その方がたくさんお菓子をもらうことができますから。

同じような例が、セルゲイ・ブブカ効果です。ブブカは棒高跳びで圧倒的な強さを誇った旧ソ連の選手です。世界記録を更新するたびに国から現金でボーナスをもらっていたブブカは、余力があるにもかかわらず1cmずつ記録を更新していったのです。その方がたくさんボーナスをもらえますから。

どちらの例もインセンティブ設計に問題があると言わざると得ません。そこで又吉さんの回答は、「成功したら親がめっちゃ喜ぶ」というものです。

オイコノミア的子育て相談2

又吉さんの友人からの相談です。息子が外でけんかばかりで手に負えないというものでした。又吉さんは「悪ガキ」と親が決めつけてしまうことで、子供にはそんな気がなくとも「悪ガキ」を演じてしまうので決めつけるのはよくないと友人に伝えたそうです。

自己実現的予想
経済学には「自己実現的予想」というものがあります。例えば株でたくさん儲けている人がいたとします。その人があの会社の株はきっと上がるといえば、あの人が言うから間違えないとたくさんの人が買うことで実際に株価が上がってしまう。人々がその予想を信じて行動することによって結果として予想が現実になる現象を「自己実現的予想」といいます。

1973年に信用金庫が倒産するといううわさから取り付け騒ぎが発生した豊川信用金庫事件という事件が実際に発生しています。

又吉さんの回答は、、、自己実現的予想に気をつけよう。周りが悪ガキと決めつけると実際に悪ガキになってしまうかも?


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posted by CYL at 10:00 | オイコノミア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする