2015年04月14日

未来世紀ジパング 日本の魚を海外へ 鍵は物流システムと鮮度保存技術

未来世紀ジパング 沸騰現場の経済学

日本の魚を海外へ
鍵は物流システム、鮮度保存技術

沸騰キーワード「新鮮力」
ポイント1 物流システム
ポイント2 鮮度保存技術


世界の寿司はサーモン
世界的な寿司ブームですが、その恩恵をうけているのは海外産のサーモンです。サーモンの2大産地は南米のチリと北欧のノルウェーです。2国で世界のサーモン生産量の約63%を占めているのです。日本人が寿司と言えばマグロを思い浮かべますが、海外ではサーモンが寿司に使われることが多いのです。その要因のひとつは現地では生で食べることができる魚がサーモンしかないということです。

海外へ日本の魚を
全国漁業協同組合連合会(全漁連)がはじめて出した直営店は東南アジアで成長著しいシンガポールでした。全漁連は日本の魚の普及に努める団体です。全国の美味しい魚を「プライドフィッシュ」と名付けて発信しています。そのキャッチフレーズは「あなたはまだ魚の本当の旨さをしらない」です。シンガポールにオープンした直営店JF神田わだつみ シンガポール店長 原慎二さんは、地元の市場「バッファローロード テッカセンター」へ魚の調査にでかけましたが、生でたべることができるような新鮮な魚は残念ながらありませんでした。

なぜ海外なのか
JF全漁連 代表理事専務 長屋信博さんはこう語ります。「日本の多種多様な水産物を現地の方々にも味わってもらいその味をしっかりとおぼえていただく。そのためには本物の水産物を提供していかなければいけない。全漁連が生産段階から関与していくということは本物の水産物をわかってもらうには有効だと思う」シンガポール店では日本産の魚を使い産地と旬をお客さんにアピールしました。他の日本食レストランでは味わえないと現地のお客さんの評判は上々でした。

世界の魚消費量は増加
そしてもう一つ海外に活路を見出したい理由は日本の魚の消費量は14年前のピーク時に比べて3割減にあることです。減少分を海外へ輸出することで国内の漁業の活性化を図っていくことを目指しています。世界では魚の消費量は増えています。先進国では健康志向のため脂の少ない魚へ徐々にシフトしてきていますし途上国では肉より安いタンパク源として魚が食べられはじめているのです。

世界の魚の消費量(一人あたり)
2001年
1位 日本
2位 ポルトガル
3位 韓国

2011年
1位 ポルトガル
2位 韓国
3位 日本

一人あたりのランキングの上位には入っていませんが、国単位で見ますとここ10年間の間にその消費量は1.5倍になっており、日本全体の消費量の7倍にあたります。


日本人がよく食べている魚ランキング
昭和40年
1位アジ、2位イカ、3位サバ

昭和57年
1位イカ、2位マグロ、3位カレイ

平成12年
1位イカ、2位マグロ、3位サケ

現在
1位サケ、2位イカ、3位マグロ




<日本の新鮮な魚をいち早く届ける>

ポイント1
新鮮な魚を届ける物流システム



香港の魚事情
香港では日本の刺身が人気です。回転寿し店で並ぶ品は日本の回転寿しとほとんど変わりません。その理由は物流システムにありました。青森から1日で届いたヒラメが生きたまま厨房に届けられているのです。



青森から香港へ物流の流れ

午前8時30分 
ヤマトクール宅急便で青森市中央卸売市場出発
陸路にて仙台空港へその間岩手、宮城で荷物を集荷

午後3時 
仙台空港到着
冷凍用のコンテナに移されて通常の旅客機の空きスペースに運び込まれる


午後5時30分 
仙台空港から大阪伊丹空港へ出発
関西向けのクール便と一緒に運ぶ

午前2時 沖縄那覇空港へ到着
沖縄貨物ハブへ運ばれて仕分けされます。海外へ荷物を送るので通関が必要ですが24時間対応可能です。

午前5時15分 
香港にむけて貨物便が出発

日本時間午前7時45分 
香港空港に到着
昼過ぎに店に到着

青森から香港までおよそ30時間です。


物流のポイントは沖縄にあり
2002年に政府は沖縄県を国際貿易の拠点とするため国際物流特区に指定しました。もともと那覇空港は数少ない24時間発着ができる空港でした。那覇空港は中国、東南アジアの主要都市へ4時間で以内での移動が可能です。全日空、ヤマト運輸、沖縄県が手を組んで新しい物流システムをつくりました。ヤマト運輸グローバル事業推進部長 梅津克彦さんは「アジアをひとつの面として捉えています。国際クール宅急便は当然のサービス」と語ります。香港では新鮮さが好まれるため直接日本から仕入れていることは大きなアピールとなるのです。




ポイント2
鮮度を保つ技術は世界一




丸福水産「ナノ水」
窒素の細かい泡に秘密あり

魚をナノ水に約5分から8分浸すだけで鮮度を保ちます。

秘密は
ナノ水を作り出すのがナノフレッシャーという機械です。ナノバブルという100万分の1ミリの窒素の泡を作り出します。魚の劣化の原因は体内に酸素が入る酸化という現象です。ナノ水に浸かることで体内に窒素が入ると酸化が遅くなり鮮度を維持することができるのです。



富士商工「ノバフレッシュ」
魚を仮眠状態に


秘密は
魚を特殊な装置に入れて密閉し酸素、窒素、二酸化炭素をいれて50分間加圧します。装置から取り出した魚は仮眠状態になっています。魚を取り出し氷水で冷却し冷蔵庫で保存します。通常は水がないので魚は死んでしまうはずですが再度装置にいれて加圧すると魚が仮眠状態から覚醒するといいます。(現在は研究段階)


アビー「CAS付き冷凍庫」
千葉県流山市


磁力、光、音など8つの力を加えて鮮度を保つ特殊な冷凍庫です。冷蔵庫の中から4年前にCAS付き冷凍庫で凍らせたというタコを取り出しました。2時間後解凍が完了すると指に吸盤が吸いつきました。「これは生命体としては死んでいるのだが、細胞は生きていることがわかる」と開発をしたアビーの社長は語ります。CAS付き冷凍庫はもともと過冷却水をつくるために開発されてといいます。過冷却水はゆっくりと冷やされることで水を流すとすぐに凍ってしまう不思議な水です。



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posted by CYL at 12:39 | 未来世紀ジパング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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