2015年04月12日

NHKスペシャル 幻の山「カカボラジ」灼熱のジャングルから凍てつく雪山へ2

NHKスペシャル
幻の山「カカボラジ」
灼熱のジャングルから凍てつく雪山へ
その2

前に戻る その1 カカボラジ

<250kmのキャラバン>

9月12日
ヤンゴンを出発しプタオに到着しました。そこで待っていたのは不吉な知らせでした。先に出発したミャンマー隊の隊員2名が山頂付近で遭難したというのです。

エベレストに比べると標高は低いのですが、岩壁、氷壁、氷河など多くの難関を超えなけば頂上には辿りつけません。その上、雪が柔らかく不安定なため高い技術だけでは踏破することは難しい山なのです。

9月15日
ベースキャンプまでのキャラバンが始まりました。到着は3週間後の10月2日を予定していました。

雨季とはいえ強い日差しが降り注いていました。そして様々な生きものとの出会いがありました。ミャンマー北部地帯には動植物の研究者がほとんど足を踏み入れていない場所です。

はじめてミャンマーで確認された植物がユリ科の植物ヤブカンゾウです。花びらが幾重にも重なり美しい色と形をしています。そして、木の上に根を張って花をつけているのはラン科デンドロビウム・フッケリアヌムです。

9月19日
激しい雨で小川から溢れ出した水で山道はまるで川のようになってしまいました。湿度が90%を超え蒸れて雨合羽を着ていられません。山ビルという人間の体温を察知して寄ってきた招かれざる珍客も姿を表しました。

9月20日
ラボ村に到着し民族衣装をまとったリス族やラワン族という少数民族が出迎え歌でもてなしてくれました。山岳民族にとってカカボラジは聖なる山ですが、意外なことに山の姿を見たことがないといいます。

9月21日
出発から1週間目の朝ポーターたちが休みたいと言い出したのです。ポーターたちはふだんは農業をする人たちでひとり20キロの荷物を背負っているのです。土地のひとのペースに合わせることになりこの日のキャラバンは中止となりました。

登山隊が登頂を目指すのは雨季と乾季の変わり目で一番天候が安定している時期を予定しています。その期間を過ぎると雪が降り登頂は困難になります。

この時点での遅れは3日でした。先を急ぎたい登山隊の前にたちはばかるのは竹でできた粗末な吊り橋です。吊り橋が切れないようにひとりずつ渡るため大幅な時間をロスとなりました。

10月4日
ベースキャンプへの道中、最後の村となるタフンダン村に到着しました。先に遭難の情報があったミャンマー隊捜索の拠点となっていて村は騒然としていました。遭難者は3週間たった今も見つかっていませんでした。

この村にはカカボラジの登頂に成功したメンバーのひとりナンマー・ジャンセンさんがいました。登山隊はジャンセンさんから情報収集を行いました。

1時間に5回以上天候が変わること、当時に比べて氷河の状態が良くない雪崩の危険性が増し登頂が難しくなっていることを聞きました。

10月12日
キャラバンスタートから28日目ジャングルの上空にカカボラジの山頂の姿が見えました。

カカボラジは鳥が羽根で包み込む山のという意味です。いつも雲に包まれていて見えない山だからです。その姿をはっきりと見ることができるだけでも幸運なのです。

予定より1週間遅れてベースキャンプに到着しました。日中山肌の温められて空気が雲になっていました。まさに名前の通り包み込む山です。そして谷からは雪崩れが発生していました。

<登頂アタック>

雪崩の危険性を考慮して大きく迂回して尾根を2.5km歩いて山頂の右側から登るルートを選択しました。

ひとつだけリーダーには不安がありました。それはベースキャンプからは手前の尾根に隠れて山頂へ続くと思われる尾根を確認できない部分が1箇所あることでした。現場に行ってみなければわかりません。

10月21日 登山隊はベースキャンプを出発しました。登頂まで3日の予定です。1日目は4000mのベースキャンプから登り5000mでキャンプを張りました。そして2日目に5400mまで登りキャンプを張ります。そして3日目に尾根をたどり山頂を目指すことにしました。

2日目、晴天の尾根からは中国雲南省の山々が見えヒマラヤ山脈の東端ナムチャバルワ(7782m)を望む大パノラマが眼前に広がっていました。そして夜空には満天の星空が広がっていました。

3日目、いままで一番良い天気に恵まれ午前6時に山頂を目指して歩き始めました。岩の峰を越えると山頂が目の前に見えました。山頂まで700m、気にしていたあの場所でした。山頂までの繋がっていると思っていた尾根は深い谷になっていたのです。谷に下りてルートを探しますが尾根は完全に途切れていました。さらに天候が悪化し吹雪となり視界が閉ざされてしまい登頂を断念しました。

山頂までの標高差230m、あと一歩のところでした。ベースキャンプにも雪が降り始めて登頂のチャンスと思われた時期は過ぎていきました。



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posted by CYL at 18:37 | NHKスペシャル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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