2015年04月08日

NHKスペシャル×新アレルギー治療 アレルギーの予防

アレルギーになっていない子供の予防について

アメリカ・オハイオ州に住む家族の話
昔の予防法は時代遅れ


父親にピーナッツと大豆のアレルギーがあり、子供たちをアレルギーにしたくないと母親は妊娠以来、大豆とピーナッツを徹底的に避けてきたのですが、その効果はなく二人の子供たちは父親以上にひどいアレルギーに苦しんでいるといいます。誤ってアレルギー物質を食べた場合、ショックによって死に至る可能性があるので緊急時に備えてアレルギー症状を抑えるための注射をつねに携帯していなければならないほど深刻なのです。

一家は2000年にアメリカ小児科学会が出したアレルギー予防のための指針をもとにアレルギー食品を避けてきました。"母親は妊娠中、授乳中にアレルギー食品を避けること。乳製品を与えるのは1歳以降、卵は2歳以降、ナッツや魚は3歳以降”と書かれています。指針にそった指導に効果はありませんでした。

2000年指針の発表以降も食物アレルギーは増え続けたのです。アメリカ小児科学会は2008年に指針を改定しました。”アレルギー食品を避けることでアレルギーを予防できる証拠はない”という内容でした。具体的な方策については記されていませんでした。子供を持つ親だけではなく医師の間にも混乱がつづいてきました。

ロンドン大学のギデオン・ラック博士
最新の予防法の研究が進行中


食べ物との関係

世界中のアレルギー研究者が集う今年2月に開催されたアメリカ アレルギー学会で衝撃的な研究結果が発表されました。”子供のピーナッツアレルギーを予防するにはあえてピーナッツを食べたほうがよい”子供達が非常に早い段階であえてピーナッツを食べることによってピーナッツアレルギーを予防できることが判明したのです。発表したのはアレルギーの研究で世界をリードするロンドン大学のギデオン・ラック博士です。

ラック博士は生後6カ月から11カ月の赤ちゃんの600人以上が参加した臨床研究を行いました。まずふたつのグループに分け、半数の300人あまりには医師の指導のもと週3回以上ごくわずかづつピーナッツを与え、一方のグループはピーナッツを徹底的に避けました。およそ5年後の5歳時のピーナッツアレルギーの発症率を調べました。

避けたグループの17.3%が発症したのに対して、週3回食べたグループは僅か3.2%の発症率だったのです。ラック博士はアレルギーなどを発症する物質を食べるとTレグが増えるのではないかと考えています。その根拠となる実験は生後間もないネズミにアレルギー食品を食べさせます。その結果食べたネズミの方がTレグが大幅に増えることがわかったのです。

ネズミの体に中ではどんなことが起きているのか?
食べたピーナッツはネズミの腸で吸収されます。ピーナッツが入ってくると異物として攻撃細胞が攻撃をしようとします。するとTレグがつくられその攻撃を押さえ込みます。しかもそのTレグ細胞はピーナッツだけの攻撃を押さえるピーナッツ専門のTレグでした。卵を食べれば卵への攻撃を抑える卵専門のTレグがつくられ、小麦を食べれば小麦への攻撃を抑える小麦専門のTレグがつくられるという結果が動物実験から得られたのです。

ラック博士は「食物のタンパク質に定期的にさらされると、それぞれの食品ごとに専門のTレグがつくられると考えられます。それがアレルギーを引き起こす攻撃細胞にブレーキをかけるのです。」といいます。


今後の研究課題としてさらなる研究が進められています。
ピーナッツ以外の食品では?
いつどのくらい与えればよいのか?
その効果はヒトでも当てはまるのか?
さらなる研究が進められています。

注意:すでにアレルギーになっているひとはアレルギー物質を食べることは危険ですのでやめてください。上記はアレルギー症状がない人の予防の話ですのでお気をつけください。また経口免疫療法を行っている方は医師の指導に従ってください。



アレルギーになるそのきっかけは何か?
湿疹や肌荒れとの関係


イリギスの大学生の場合
イギリスで過去の出来事から新たな事実がわかりました。重度のピーナッツがアレルギーで注射器を手放す事ができない大学生の男性がアレルギーになったのは3歳の頃、きっかけは意外なことでした。彼は乳児湿疹がとてもひどかったのでスキンケアのためにクリームを塗るようにアドバイスを受けました。2歳から3歳頃に湿疹はおさまったのですが同時にアレルギーを発症したのです。

その原因は
アレルギーの研究で世界をリードするロンドン大学のギデオン・ラック博士が調査したところ、クリームに含まれていたピーナッツオイルが原因だと突き止めたのです。さらにピーナッツアレルギーの子供を調査したところ91%が「湿疹」のケアにピーナッツオイル入りのスキンクリームを使用していたことがわかったのです。つまり普通は害のない食物タンパク質(今回の場合はピーナッツオイル)が湿疹のある子供の皮膚から体内に入るとアレルギーの原因になるのです。

なぜ皮膚から入るとアレルギーになるのか?
普通は傷口から少々異物が入っても傷口はすぐに塞がるので問題はありません。しかし湿疹や肌荒れによって”皮膚のバリア”が壊れた状態では問題が起こります。皮膚の下では免疫細胞がいつ外敵が入ってきてもいいように臨戦態勢に入ります。

免疫細胞は異物が来ると捕まえて内部へ引っ張りこみます。異物を攻撃するように攻撃細胞に伝えてまわるのです。これが何度も繰り返されると攻撃細胞はどんどん攻撃的になりTレグの制御がきかなくなってしまいアレルギーを発症してしまうと考えたられています。

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posted by CYL at 18:17 | 科学・技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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